前回に続いて今回も実ものの花活けです。
今回の花材はカキ(柿)。
秋の代表的な果実ですね。
このカキは直径3cmくらいの実で品種は分かりませんが、通常の稽古花材では富有柿のような大きな実が登場することはほとんどないように思います。
逆に花材で一番見かけるカキは、直径1.5cm程度の小さい実をつけるマメガキ。
こんな感じのものです。
マメガキは販売されているときは黄緑色の実で、その後黄色に熟します。
いわゆる柿色ではないため、近くに寄ってみないとカキだと分からないかもしれません。
今回のカキは富有柿をそのまま小さくしたような感じですが、小さいと言えども結構な重さがあるのでバランスを考えて入れないと花器ごと倒れてしまいます。
そんなカキに合わせてみたのはハンノキでした。
ミニサイズのマツカサみたいな実がついている、この上なく地味な枝。
ちょっと曲げようとするとパキッと折れてしまうし、枝ぶりもそんなに魅力的とは思えず、融通が利かなくて活けにくそうな花材に見えました。
だけどこの焦げ茶色の実、どこかで見覚えがありませんか?
これからの時期に活躍するもの、つまりクリスマスツリーやリースに使われる実なのです。
別にそれを狙って花材に選んだわけではないですけどね。偶然です、あくまで ( ̄∀ ̄)
ということで、今回は実もの同士の取り合わせになりました。
出来上がった結果はこちら。
カキはやっぱり和のイメージが強いと思い、私が持っている唯一和風の器に活けてみました。
と言ってもこれは花器ではなく、蕎麦徳利か何かなのですが。
カキもハンノキもたくさん実が付いていたにもかかわらず、使ったのはこれだけという、さっぱりとしたアレンジになってしまいました (^_^;ゞ
カキは小さくても存在感があるのは想像ついたのですが、地味で小粒のハンノキの実も意外と主張していてちょっと驚きです。
ボリュームは無いけれど、とりあえず秋らしい風情のいけばなになったかな、と自負しております。
前回のヒメリンゴとコウヤマキのアレンジで、クリスマスを連想された方々がいらっしゃいました。
よくぞ気付いてくださいましたヽ(゚∀゚)ノ
リンゴはクリスマスオーナメントの定番だし、グリーンのコウヤマキと合わせたらクリスマスカラーだなー、なんて私も思っていました。
そして今回のハンノキの実。
ヒメリンゴはクリスマス本番まで持たないにしても、ハンノキは使えるわね、とひそかに喜んでいます ( ´艸`)