秋は紅葉の美しい季節ですね。
花活けの世界でも紅葉した枝ものが9月末ごろから登場します。
私も赤く色づいたユキヤナギを先月の稽古で活けました。
本来なら家でもそのユキヤナギを使って作品を仕上げたいところでしたが、残念ながらそれは叶いませんでした。
というのも紅葉した葉は恐ろしいほど落ちやすく、家に持ち帰った時にはもう使い物にならなかったのです。
ある程度分かっていたこととはいえ、すごーく損した気分になってしまいました(ノ_-;)
こうしてユキヤナギは残念な結果に終わりましたが、季節を表現することはいけばなの大事な要素。
そこで紅葉のほかに秋を象徴するものとして、今回は実ものを使ってみようと思いました。
選んだのは赤く熟したヒメリンゴです。
赤というより黒に近い渋い赤。結構好みの色です。
ただこれも雑に扱うとあっげなく実が落ちることがあるので要注意。
庭木や公園などで普通にみられる常緑針葉樹だそうですが、何しろ園芸に疎い私は全然気付いていませんでした。
そしてこれを活けるのも今回が初めて。
パッと見、マツに似た感じでマツと同じようにヤニが手にべったりと付きます。
また、私が買ったものには付いていなかったのですが、マツカサのような実が付いている枝もありました。
この2つの花材を使ってこんなアレンジにしてみました。
横に張り出した形のせいで、画面に収まりにくい!
ヒメリンゴの枝は矯めが効かないので自然の形を生かすしかなく、良さそうな枝の線を組み合わせるのにちょっと苦労しました。
花材は2つしか使っていないけれど両者とも存在感があるし、ぶら下がっているヒメリンゴの実がベルみたいで可愛いんじゃない?なんて思っています。
今回使ったコウヤマキですが、高野山に多く見られたので高野槇と名付けられたそうです。
日本原産で、分類はコウヤマキ科コウヤマキ属、他にこの分類に属する植物はない1科1属1種の植物とのこと。
円錐形になる樹形が美しいため世界三大庭園木の一つと言われ、スカイツリーのデザインの原点になっているとか。
無知な私はそんな話初めて聞きました。
知らなかったと言えば、コウヤマキが秋篠宮悠仁様のお印であることも。
ひぇ~(|||_|||) そんなご立派な木だとは夢にも思わず、手がベタベタ汚れて嫌なのよねー、なんて文句垂れてました ^^;
言われてみれば、どことなく品格のある木のような...
偶然手にした花材でしたが、おかげで大変勉強になりました y(^ー^)y