気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

白い花がうまく撮れない

春になって嬉しいことの一つは、花木が花をつけること。

稽古場においても、私は草花系の春の花より花木が増えることの方にワクワク感を覚えます。

とか言いながら、ついこの間、一番春を感じる花はナノハナ、なんて断言してましたけど(^▽^)ゞ


とにかく春なので、今回は白い小花が美しいユキヤナギを花材に選びました。

ユキヤナギは庭木としても人気の高い、古くからお馴染みの花木です。

名前にヤナギとありますが、バラ科の植物でヤナギとは関係ありません。

枝垂れる姿と葉の形がヤナギに似ていて、雪をかぶったように枝が白い花で覆われることからこの名前がつきました。

枝の性質は当然ヤナギとは全く違い、矯めが効かず、不用意に力を加えるとポキッと折れてしまうので注意が必要です。


このユキヤナギには優しい色味のチューリップを合わせることにしました。

薄いピンクの花弁は、縁の部分が淡い黄色になっています。

形はオーソドックスながら、この色合いが何とも可愛らしく目を引きました。


この2つの花材の色合わせだとちょっとメリハリに欠けそうな感じ?

とは思いましたが、あまりゴチャゴチャ入れて折角のユキヤナギの枝の流れをつぶしてしまうのも嫌なので、このまま花活け開始。

やっぱり何となくぼんやりした感じになりました。ある意味そこが春っぽいと言えなくも無いような...(;^_^A

切り花になるとユキヤナギは水が揚がりにくく、花もパラパラ散り易いので、なかなか庭木や公園のユキヤナギのようなものは望めません。

雪がかぶったような満開の姿を活けたいのなら、庭で咲いているのを切り取ってくるのが一番だと思います。


それでも今回のユキヤナギは、実物は白い花がもっと綺麗でした。

我が家は壁の色が白なので、前回のカスミソウもそうですが、白い花(特に小花)を活けると背景と同化してしまってうまく写真が撮れません。

影技術は無いし、カメラもスマホで済ませてしまっているからダメなのでしょうか。

バックに黒い布か何かを持ってくれば手っ取り早く解決できるのかと思ったりもしますが、適当なものが身近にないし、私がそうそう手際よく対処できるとも思えず。(要はあまりやる気が無いんですね ̄▽ ̄)

だけど本や雑誌に載っている花活けの写真を見ると、必ずしも白い花が綺麗に撮れているわけではないことに気が付きました。

この間花活け本で見たのは白い花をメインしたアレンジで、説明文にも白い花が美しい、みたいなことが書いてありましたが、その写真は花の所在がよく分からないほど白が目立ちませんでした。

周りの情景を含めての作品だから、花だけアップに撮るわけにもいかないし、色々事情があっての結果だったのかなー(*「・ω・)?

プロが写してもこんなことがあるんだから、私みたいなのがうまく撮れるわけないよね、と変に納得してしまったのでした。

香りの花ではあるけれど

先日のスイセンフリージアは春の花であると共に、香りが良いという花でもありました。

両者とも香水に使われるような、上品で甘い香りを放つ花です。


香りという点では、今回の稽古花材も負けてはいません。

それは昨年も一度活けたことのあるウイキョウです。


前にもお話しした通り、ウイキョウはハーブで言うところのフェンネルです。

その香りについてですが、先にスイセンフリージアの話をしてしまったので、このハーブをご存知の方はちょっと違和感あったかもしれません。

確かに香りの花ではあるけれど、私の印象ではこれは料理の匂いというか、スパイス系の香りで、連想するのはピクルスの瓶詰 (^m^ )

アロマなら分かるけど、ウイキョウの香りがメインの香水ってちょっと考えられないような? 意外と魅力的な香りになるのかなー。


さてそんなウイキョウに稽古ではカスミソウを合わせました。

稽古場には個性的な器が沢山あるので、花材が少なくても器に助けられる場合が多々ありますが、家ではそうはいきません。

なのでカスミソウのほかにも何か欲しいなと思っていたところ、花屋さんで水色のニゲラと紫のスカビオーサを見かけました。

2つとも優しげな雰囲気で大好きな花です。

どちらも花色は他にピンク系などもあるのですが、花屋さんによると人気があるのはやはりブルー系だとか。

うまく合わせられるかなーと思いつつも、とりあえず活けてみました。

なんか普通のアレンジです (´・ω・`)

ニゲラとスカビオーサは好きな花だけにもっと違う活け方があったはず、というのが正直なところ。

今度活ける時にはもう少しうまく使えるようにしたいものです。


昨年ウイキョウを活けた時は花材の状態が最初から最悪で、結局水が揚がらず花がうなだれたままでの花活けになりました。

それに対して今回はとても新鮮で、花もこれから開こうという生き生きとしたものでした。

なのにこのアレンジは稽古から5日ほど経って活けたもの。

ちょうど急いで対処しなければならないことがあって、花活けする時間が取れませんでした😥

最初がつぼみだったおかげでそれほど悲惨なことにはならずに済みましたが、なかなかタイミング的にうまくいかないものです。


なおウイキョウは、ハーブでは葉や種子を使うのに対し、花活けでは逆に葉を除いた花だけの状態で使います。

以前使ったレースフラワーの花を黄色にしたような感じで、今回は使いませんでしたが茎の形にも表情があって面白い素材です。

ただ独特な香りは結構強いし、また花粉も落ちるので、飾る場所には気を付けた方が良いですね。

一年中ある花材で花活け

前回使った花は稽古花ではなく、花屋さんで買ったものでした。

それはたまたま花屋さんの店先に春の花が並んでいるのを見て、衝動的に買ってしまったものです。

そうして先に春の花を手に入れてしまったせいで、稽古の日には特に季節ものの花でなくても良いかなという気分になっていました。

その結果選んだ稽古花材は、季節に関係なく一年中手に入るハランとガーベラ。


ハランは過去記事でも緑に縞模様の入ったシマハランを活けています。

今回購入したのは縞が無い緑一色のタイプです。

ハランは庭に植わっているパターンも多いですが、お寿司の下に敷いたりなど料理の盛り付けに使うし、お弁当の仕切りに使うプラスチック製の緑はハランの代用品ということで、花材というよりそっちの方で知られているかもしれません。

もう一方のガーベラはどこの花屋さんにも置いてある花。これも過去に一度ならず使っています。

ガーベラはいかにも分かり易い形の平面的な花という認識でしたが、今回のガーベラは花弁が波打っていて、いつもより動きのある立体的な印象です。

しかもガーベラと言えばほとんどが明るい花色がであるのに対し、これはくすんで落ち着いた感じのオレンジ色。

さらに花弁の裏側はちょっと色褪せた風の薄い黄色になっていて、波打って裏が見えているとリバーシブルで楽しめます。


で、この2つの花材で花活け..って見るからに地味ですよね。

他に花材を足すことも考えたのですが、何とか2つだけで頑張ってみました。

器の色がちょっと合わないような。

前みたいなシマハランだったらまた違ったかな、と活けながら思いました。


いけばな初心者にとっては、ハランってどう扱っていいのか困る花材かと思います。

何しろ、ただ長くて幅広で、切れ込みも無い大きな葉です。

自分が最初に活けた時はどうだったのか、あまりに昔のことなので全く覚えていませんが、たぶん最初のうちは、形を変えるにしてもちょっと丸めてみたりするくらい?

誰でもそんな感じじゃないかなー(・ω・?)

でも他の人の作品を見たり、自分でも何回か試しているうちに、色々加工できるハランの可能性に気付くようになります。

そして花活け界はそういう面白さを知ってしまった人であふれているので、何とハランはとっても人気の花材なのです。

今回のハランはそれほどひねりのある使い方ではありませんが、それでも最初ののっぺりとした“一反木綿”のような葉のイメージからは脱却できたと思います。

一見なんの愛想も無い素材に見えるものが、実は凄く伸びしろがあって、ゆえに何度使っても飽きがこない..

ハランはまさにそんな花材の一つだと思っています。

庭の片隅で勝手に増えてるだけの葉っぱじゃないですから(;´∀`)

春の花が集まったアレンジ

立春はもう少し先ですが、花材の方は春の花でいっぱいになっています。

先日の稽古場にも開花したモクレンが並んでいて、もう春なんだー🎵とちょっと嬉しくなりました。

と言いながら、その日私が選んだ花材は春とは全く関係ないものでしたけど。


ただ家には花屋さんで買った春らしい花がありました。

買ったのは紫のチューリップ、白のフリージア、そしてナノハナの3つ。

チューリップと言えば代表的な春の花ですね。

実際にはチューリップの切り花は、真夏以外の長い期間にわたって購入可能なようです。

でも色んな種類のものが普通にお店で買えるのはやはり春の旬の時期。

フリージアもほぼ一年中出回っていますが、本来は春に咲く花です。

香りが良く、活けている間にも香りに包まれて優雅な気分に浸れます。

そして言わずと知れたナノハナ。

実は、春の花の中で私が一番春を感じる花はナノハナです。

よくTVなどでも春の風物詩としてナノハナ畑が取り上げられるように、春の到来と言えばナノハナ!としか思えません。


今回はこれらの花に、先日使ったスイセンの葉とストックを加えて花活けしました。

スイセン(葉のみですが)もストックも春の花なので、オール春物です。

だけど春の花ではありながら、どうも自分の好みとしてラブリーな明るい花ではなくてシックなものになってしまいます。

たまには、キャー可愛い💗と言われるような花を活けてみたいものです。


なお今回の花材について補足ですが、フリージア以外の花は時間が経つと最初に活けた時とアレンジの形が変わります。

つまり光の方向へ花の向きを変えて伸びてしまうので、例えばうつむいているチューリップの姿が良いと思って仕上げても、翌日には元気に上を向いているというパターンがありがち。

形が変わって台無しと思うか、変わったものをそのまま楽しむかはその時の状況にもよると思いますが、いずれにしてもこの特性を頭に入れておいた方が良いですね。


スイセンの葉を使ったところで、今回はもう一つおまけ。

先日のボケとスイセンのアレンジの後、使わなかったスイセンの葉が沢山あったので、葉を活用したものを作ってみました。

スイセンの花はだいぶお疲れ気味ですが。

スイセンフリージアと同じく、非常に良い香りのする花です。

その香りが漂うイメージを葉で表現してみました...なんて嘘です(#^.^#)

単に葉っぱで遊んでみたかっただけ😄

どのくらい持つの?と聞かれた花

前回ボケに合わせてスイセンを活けましたが、稽古の時にボケと一緒に使ったのは全く別の花でした。

それは緋色のランのレナンセラです。

オンシジウムデンファレなどのランと同じくお手頃価格で手に入り、花屋さんだけでなくスーパーのパック束でもよく見かけます。

花色は他にオレンジや黄色がありますが、一番ポピュラーなのはこの写真のタイプ。

こういっては何ですけど、一般的に出回っているレナンセラは、コチョウランやカトレアのようなお高いランと違ってあまりにもありきたりなので、どうもありがたみを感じません(あくまで個人の感想です^^;)。

でも鮮やかな花が沢山つくおかげで、1本あるだけでも十分効果が期待できる花ではありますね。


このレナンセラに合わせる花材として、ボケはもう役に立たないし、新たに何か手に入れなければと思って、デンファレとストックを購入しました。

デンファレはレナンセラ以上によく目にするランです。

デンファレは赤紫(濃いピンク)のものがよく出ていて、よくタイ料理とかに添えられたりもするので、ご存知の方も多いはず。


もう一つのストックはたぶん誰でも知っている昔からある花。

10月~4月頃まで出回る花です。


そしてこれらの花材を合わせて、赤+紫系のアレンジにしてみました。

同じ赤い色つながりで、何と昨年末使ったレッドウィローも登場。

例によってなかなか捨てられなくて、ここに来てやっと使い切りました。
あー、スッキリした\(^o^)/


レナンセラは活けると案外オシャレですね。

ありきたりなんて言って申し訳なかったですヾ(^-^;)

さらに言うと、正直ストックにはそんなに期待していなかったのですが、こうしてみると薄紫の花がなかなか良い感じではありませんか。

自分の好きな花色だからそう思うのかな?


ところで今回のレナンセラ、このアレンジを仕上げた時はすでに購入から10日経っていました。信じられない持久力!

総じてランの花は長持ちします。

それで思い出したのが以前友人から「ランってどのくらい持つものなの?」と質問されたこと。

誰かにプレゼントでもするつもりなのかと思ったらそうではなくて、お葬式でもらったランの切り花が1か月たっても衰えないので驚いているという話でした。

もらったのはどうやらデンファレだったようですが、友人が言うには「もらった場所が場所だけにいつまでも枯れないのはなんだか気味が悪い」とのことで。

確かにそういうシチュエーションだと分からないでもないですね。

そんなことがなくてもランの花を気持ち悪いという人もいるし、実際私も美しいというより不気味だなと思うランが多々あります。

だけど普通だったら花持ちが良いと喜ばれるのに、枯れなくて怖いと言われてしまうランも随分気の毒なような...(;^△^)

初稽古に行ってまいりました

日々寒さが増してきました。

暑いのも嫌だけど、寒いのはもっと嫌 ( >ω< )

できれば外に出たくない、布団からも出たくない、と願ってやまない今日この頃です。


そんな思いを抱えながら、本年最初のいけばなの稽古に行ってきました。

寒さのピークはこれからですが、年が明けると花材はだいぶ春めいてきます。

その中から今回私はボケを選びました。

稽古でだいぶ手を入れてしまった関係上、全体を写せませんでした。

ボケは赤やピンク、オレンジなどの花色もありますが、今回は白い花です。

白いうえに花が小さく、花数も少ないので近くに寄っても全く花が目立ちません。

稽古用の花なので花数が少ない枝が来るのはありがちなことなんだけど、もう少し何とかならないものかと私は言いたい (≧ヘ≦)


そしてこの寂しいボケにはスイセンを合わせました。

実は教室でボケと一緒に購入した花はスイセンではありませんでした。

でも稽古仲間でスイセンを活けていた人が多く、おかげで家に帰ってから自分もスイセンが活けたい!という思いがふつふつと湧き上がってきて、急遽花屋さんに出向いた次第です。

普通スイセンというと、白い花弁に副花冠と呼ばれる黄色の花弁が中心につく二ホンズイセンが花材として多く出回りますが、今回のスイセンは黄色とオレンジの花弁のキブサ(黄房)スイセンと呼ばれるものです。

本当は二ホンズイセンが欲しかったんですけどね。無かったので仕方ないです。


この2つの花材を使ってこんなものに仕上げました。

ボケはほとんど花の所在が分からないので、完全に枝の線としての役割のみになっています。

またキブサスイセンには二ホンズイセンの白と黄色のようなメリハリが無いので、前回使ったホワイトレースフラワーを足して変化を出してみました。

と言っても、レースフラワーもまたあんまり存在感無いですね。残念 T_T

スイセンの活け方について言うと、スイセン本来の美しさを生かすならこれは無いだろうって思う人が多いかもしれません。

活け終わってから私もちょっと反省しました。今後の課題にしたいと思います。


さて今回使ったボケは私の好きな花木の一つです。

でもここ数年、これを活けることを意識的に避けてきました。

というのも、稽古で使ったボケに虫が湧くというゾッとする体験が過去にあったからです💦

こどもの頃、庭にもボケが植わっていたけど、そんなに虫がついたっけ?

ボケを育てている方たち、虫対策に苦労されているんでしょうか。

とにかく購入した花材が虫だらけになるというおぞましい経験は後にも先にもこの時だけだったので、今回は慎重に花の中を覗き込んで恐る恐る手に取ることになりました。

今のところセーフですけど、油断は禁物。

前だって活けてるときにそんな兆しは全く無かったし、いつまたあの恐怖を味わうか分かったものではありませんからね (; ̄ー ̄川

今年最初の花活け

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします(@^^@)/


年明けからすっかりのんびりしてしまいました。

今年は明日が仕事始めという人も多いと思いますが、いけばな教室の方も今週から本年のレッスンが始まります。

年末最後の稽古から3週間空いて、こちらもだいぶゆっくりさせてもらいました。

おかげさまで年末に活けた正月花は一向に衰える気配もなく、なんだったら初稽古までこのまま同じ花だけでいいかな、なんて思っていましたが...

さすがにちょっと飽きてきた (ノ_-;)

というわけで、ようやく重い腰を上げて今年最初の花活けをすることにしました。


年末の片付けで家の花材はかなりスッキリしたものの、正月花用に用意した分はまだ残っていたので、これを活用できそうです。

でも新年早々、前回と全く同じ花材というのもいかがなものか?

そこで花屋さんに調達しに行くことにしました。

調達と言っても行った先は近所の花屋さん。(花を求めて遠出はしない主義)

いつも一番お世話になっている花屋さんは、年末に残ったと思われる花を年始に半額で売るのが恒例となっています。

残り物なので選択肢も少ないし、多少弱り気味の花もあったりしますが、何せ半額ですからね。

まあまあいけそうなところをパパッと買ってきました。

全部で5種類、右からポピー(左上の2つも)、スプレーピンポンマム、ホワイトレースフラワー、フリージア、チューリップです。

ポピーは一束に8本入っていたのですが、買った時に咲いていたのは2つだけ、残りはつぼみで色が分からない状態でした。

でもポピーは開くのが早く、翌日にはさらに4輪咲いてくれました。

これらの花に正月花で使った金銀ヤナギを合わせて、どうにかアレンジが完了。

ポピーはもう少し色のバリエーションがあるかと期待していましたが、結局似たような色ばかりでした。

でも正月花に花ものを一切使っていなかったので、久々に華やかで、思った以上に明るいお正月になったかなー😄


今年は元号も変わるし、いつにも増して新しい年を迎えた気がします。

果たしてどんな年になるでしょうか。

とにかくまずは世界が平和で穏やかな年であってほしい🙏

平凡ではありますが、私も無事花活けを続けられたらいいなと思っています。