気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

一年中ある花材で花活け

前回使った花は稽古花ではなく、花屋さんで買ったものでした。

それはたまたま花屋さんの店先に春の花が並んでいるのを見て、衝動的に買ってしまったものです。

そうして先に春の花を手に入れてしまったせいで、稽古の日には特に季節ものの花でなくても良いかなという気分になっていました。

その結果選んだ稽古花材は、季節に関係なく一年中手に入るハランとガーベラ。


ハランは過去記事でも緑に縞模様の入ったシマハランを活けています。

今回購入したのは縞が無い緑一色のタイプです。

ハランは庭に植わっているパターンも多いですが、お寿司の下に敷いたりなど料理の盛り付けに使うし、お弁当の仕切りに使うプラスチック製の緑はハランの代用品ということで、花材というよりそっちの方で知られているかもしれません。

もう一方のガーベラはどこの花屋さんにも置いてある花。これも過去に一度ならず使っています。

ガーベラはいかにも分かり易い形の平面的な花という認識でしたが、今回のガーベラは花弁が波打っていて、いつもより動きのある立体的な印象です。

しかもガーベラと言えばほとんどが明るい花色がであるのに対し、これはくすんで落ち着いた感じのオレンジ色。

さらに花弁の裏側はちょっと色褪せた風の薄い黄色になっていて、波打って裏が見えているとリバーシブルで楽しめます。


で、この2つの花材で花活け..って見るからに地味ですよね。

他に花材を足すことも考えたのですが、何とか2つだけで頑張ってみました。

器の色がちょっと合わないような。

前みたいなシマハランだったらまた違ったかな、と活けながら思いました。


いけばな初心者にとっては、ハランってどう扱っていいのか困る花材かと思います。

何しろ、ただ長くて幅広で、切れ込みも無い大きな葉です。

自分が最初に活けた時はどうだったのか、あまりに昔のことなので全く覚えていませんが、たぶん最初のうちは、形を変えるにしてもちょっと丸めてみたりするくらい?

誰でもそんな感じじゃないかなー(・ω・?)

でも他の人の作品を見たり、自分でも何回か試しているうちに、色々加工できるハランの可能性に気付くようになります。

そして花活け界はそういう面白さを知ってしまった人であふれているので、何とハランはとっても人気の花材なのです。

今回のハランはそれほどひねりのある使い方ではありませんが、それでも最初ののっぺりとした“一反木綿”のような葉のイメージからは脱却できたと思います。

一見なんの愛想も無い素材に見えるものが、実は凄く伸びしろがあって、ゆえに何度使っても飽きがこない..

ハランはまさにそんな花材の一つだと思っています。

庭の片隅で勝手に増えてるだけの葉っぱじゃないですから(;´∀`)

春の花が集まったアレンジ

立春はもう少し先ですが、花材の方は春の花でいっぱいになっています。

先日の稽古場にも開花したモクレンが並んでいて、もう春なんだー🎵とちょっと嬉しくなりました。

と言いながら、その日私が選んだ花材は春とは全く関係ないものでしたけど。


ただ家には花屋さんで買った春らしい花がありました。

買ったのは紫のチューリップ、白のフリージア、そしてナノハナの3つ。

チューリップと言えば代表的な春の花ですね。

実際にはチューリップの切り花は、真夏以外の長い期間にわたって購入可能なようです。

でも色んな種類のものが普通にお店で買えるのはやはり春の旬の時期。

フリージアもほぼ一年中出回っていますが、本来は春に咲く花です。

香りが良く、活けている間にも香りに包まれて優雅な気分に浸れます。

そして言わずと知れたナノハナ。

実は、春の花の中で私が一番春を感じる花はナノハナです。

よくTVなどでも春の風物詩としてナノハナ畑が取り上げられるように、春の到来と言えばナノハナ!としか思えません。


今回はこれらの花に、先日使ったスイセンの葉とストックを加えて花活けしました。

スイセン(葉のみですが)もストックも春の花なので、オール春物です。

だけど春の花ではありながら、どうも自分の好みとしてラブリーな明るい花ではなくてシックなものになってしまいます。

たまには、キャー可愛い💗と言われるような花を活けてみたいものです。


なお今回の花材について補足ですが、フリージア以外の花は時間が経つと最初に活けた時とアレンジの形が変わります。

つまり光の方向へ花の向きを変えて伸びてしまうので、例えばうつむいているチューリップの姿が良いと思って仕上げても、翌日には元気に上を向いているというパターンがありがち。

形が変わって台無しと思うか、変わったものをそのまま楽しむかはその時の状況にもよると思いますが、いずれにしてもこの特性を頭に入れておいた方が良いですね。


スイセンの葉を使ったところで、今回はもう一つおまけ。

先日のボケとスイセンのアレンジの後、使わなかったスイセンの葉が沢山あったので、葉を活用したものを作ってみました。

スイセンの花はだいぶお疲れ気味ですが。

スイセンフリージアと同じく、非常に良い香りのする花です。

その香りが漂うイメージを葉で表現してみました...なんて嘘です(#^.^#)

単に葉っぱで遊んでみたかっただけ😄

どのくらい持つの?と聞かれた花

前回ボケに合わせてスイセンを活けましたが、稽古の時にボケと一緒に使ったのは全く別の花でした。

それは緋色のランのレナンセラです。

オンシジウムデンファレなどのランと同じくお手頃価格で手に入り、花屋さんだけでなくスーパーのパック束でもよく見かけます。

花色は他にオレンジや黄色がありますが、一番ポピュラーなのはこの写真のタイプ。

こういっては何ですけど、一般的に出回っているレナンセラは、コチョウランやカトレアのようなお高いランと違ってあまりにもありきたりなので、どうもありがたみを感じません(あくまで個人の感想です^^;)。

でも鮮やかな花が沢山つくおかげで、1本あるだけでも十分効果が期待できる花ではありますね。


このレナンセラに合わせる花材として、ボケはもう役に立たないし、新たに何か手に入れなければと思って、デンファレとストックを購入しました。

デンファレはレナンセラ以上によく目にするランです。

デンファレは赤紫(濃いピンク)のものがよく出ていて、よくタイ料理とかに添えられたりもするので、ご存知の方も多いはず。


もう一つのストックはたぶん誰でも知っている昔からある花。

10月~4月頃まで出回る花です。


そしてこれらの花材を合わせて、赤+紫系のアレンジにしてみました。

同じ赤い色つながりで、何と昨年末使ったレッドウィローも登場。

例によってなかなか捨てられなくて、ここに来てやっと使い切りました。
あー、スッキリした\(^o^)/


レナンセラは活けると案外オシャレですね。

ありきたりなんて言って申し訳なかったですヾ(^-^;)

さらに言うと、正直ストックにはそんなに期待していなかったのですが、こうしてみると薄紫の花がなかなか良い感じではありませんか。

自分の好きな花色だからそう思うのかな?


ところで今回のレナンセラ、このアレンジを仕上げた時はすでに購入から10日経っていました。信じられない持久力!

総じてランの花は長持ちします。

それで思い出したのが以前友人から「ランってどのくらい持つものなの?」と質問されたこと。

誰かにプレゼントでもするつもりなのかと思ったらそうではなくて、お葬式でもらったランの切り花が1か月たっても衰えないので驚いているという話でした。

もらったのはどうやらデンファレだったようですが、友人が言うには「もらった場所が場所だけにいつまでも枯れないのはなんだか気味が悪い」とのことで。

確かにそういうシチュエーションだと分からないでもないですね。

そんなことがなくてもランの花を気持ち悪いという人もいるし、実際私も美しいというより不気味だなと思うランが多々あります。

だけど普通だったら花持ちが良いと喜ばれるのに、枯れなくて怖いと言われてしまうランも随分気の毒なような...(;^△^)

初稽古に行ってまいりました

日々寒さが増してきました。

暑いのも嫌だけど、寒いのはもっと嫌 ( >ω< )

できれば外に出たくない、布団からも出たくない、と願ってやまない今日この頃です。


そんな思いを抱えながら、本年最初のいけばなの稽古に行ってきました。

寒さのピークはこれからですが、年が明けると花材はだいぶ春めいてきます。

その中から今回私はボケを選びました。

稽古でだいぶ手を入れてしまった関係上、全体を写せませんでした。

ボケは赤やピンク、オレンジなどの花色もありますが、今回は白い花です。

白いうえに花が小さく、花数も少ないので近くに寄っても全く花が目立ちません。

稽古用の花なので花数が少ない枝が来るのはありがちなことなんだけど、もう少し何とかならないものかと私は言いたい (≧ヘ≦)


そしてこの寂しいボケにはスイセンを合わせました。

実は教室でボケと一緒に購入した花はスイセンではありませんでした。

でも稽古仲間でスイセンを活けていた人が多く、おかげで家に帰ってから自分もスイセンが活けたい!という思いがふつふつと湧き上がってきて、急遽花屋さんに出向いた次第です。

普通スイセンというと、白い花弁に副花冠と呼ばれる黄色の花弁が中心につく二ホンズイセンが花材として多く出回りますが、今回のスイセンは黄色とオレンジの花弁のキブサ(黄房)スイセンと呼ばれるものです。

本当は二ホンズイセンが欲しかったんですけどね。無かったので仕方ないです。


この2つの花材を使ってこんなものに仕上げました。

ボケはほとんど花の所在が分からないので、完全に枝の線としての役割のみになっています。

またキブサスイセンには二ホンズイセンの白と黄色のようなメリハリが無いので、前回使ったホワイトレースフラワーを足して変化を出してみました。

と言っても、レースフラワーもまたあんまり存在感無いですね。残念 T_T

スイセンの活け方について言うと、スイセン本来の美しさを生かすならこれは無いだろうって思う人が多いかもしれません。

活け終わってから私もちょっと反省しました。今後の課題にしたいと思います。


さて今回使ったボケは私の好きな花木の一つです。

でもここ数年、これを活けることを意識的に避けてきました。

というのも、稽古で使ったボケに虫が湧くというゾッとする体験が過去にあったからです💦

こどもの頃、庭にもボケが植わっていたけど、そんなに虫がついたっけ?

ボケを育てている方たち、虫対策に苦労されているんでしょうか。

とにかく購入した花材が虫だらけになるというおぞましい経験は後にも先にもこの時だけだったので、今回は慎重に花の中を覗き込んで恐る恐る手に取ることになりました。

今のところセーフですけど、油断は禁物。

前だって活けてるときにそんな兆しは全く無かったし、いつまたあの恐怖を味わうか分かったものではありませんからね (; ̄ー ̄川

今年最初の花活け

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします(@^^@)/


年明けからすっかりのんびりしてしまいました。

今年は明日が仕事始めという人も多いと思いますが、いけばな教室の方も今週から本年のレッスンが始まります。

年末最後の稽古から3週間空いて、こちらもだいぶゆっくりさせてもらいました。

おかげさまで年末に活けた正月花は一向に衰える気配もなく、なんだったら初稽古までこのまま同じ花だけでいいかな、なんて思っていましたが...

さすがにちょっと飽きてきた (ノ_-;)

というわけで、ようやく重い腰を上げて今年最初の花活けをすることにしました。


年末の片付けで家の花材はかなりスッキリしたものの、正月花用に用意した分はまだ残っていたので、これを活用できそうです。

でも新年早々、前回と全く同じ花材というのもいかがなものか?

そこで花屋さんに調達しに行くことにしました。

調達と言っても行った先は近所の花屋さん。(花を求めて遠出はしない主義)

いつも一番お世話になっている花屋さんは、年末に残ったと思われる花を年始に半額で売るのが恒例となっています。

残り物なので選択肢も少ないし、多少弱り気味の花もあったりしますが、何せ半額ですからね。

まあまあいけそうなところをパパッと買ってきました。

全部で5種類、右からポピー(左上の2つも)、スプレーピンポンマム、ホワイトレースフラワー、フリージア、チューリップです。

ポピーは一束に8本入っていたのですが、買った時に咲いていたのは2つだけ、残りはつぼみで色が分からない状態でした。

でもポピーは開くのが早く、翌日にはさらに4輪咲いてくれました。

これらの花に正月花で使った金銀ヤナギを合わせて、どうにかアレンジが完了。

ポピーはもう少し色のバリエーションがあるかと期待していましたが、結局似たような色ばかりでした。

でも正月花に花ものを一切使っていなかったので、久々に華やかで、思った以上に明るいお正月になったかなー😄


今年は元号も変わるし、いつにも増して新しい年を迎えた気がします。

果たしてどんな年になるでしょうか。

とにかくまずは世界が平和で穏やかな年であってほしい🙏

平凡ではありますが、私も無事花活けを続けられたらいいなと思っています。

正月花が完成しました

今年もいよいよ押し詰まってまいりました。

着々と正月の準備をされている方も多いでしょうが、私は例年通り、大幅に後れを取っています💦

それでも年賀状はクリアしたのでまだましな方かなー。

これからぼちぼち大掃除に取り掛かろうかと思います。


そんな中、正月向けの花活けの方は無事完了しました。

実は先週、今年最後のいけばなの稽古が終わって、その時のテーマが正月花でした。

つまりクリスマス前にもう正月に使える花材を購入していて、それらがずっと出番を待っていたのです。

稽古で使った花材はいたってシンプル。ウインターベリーとシダレヤナギでした。

ウインターベリーは鮮やかな赤い実が目を引く、とても見栄えのする実もの花材です。

ぽろぽろ実が落ちてちょっと寂しくなってます。購入時はもっと実が付いていました。

正月に使う赤い実というとナンテンやセンリョウが代表的で、ウインターベリーはクリスマス向きという認識かもしれませんが、正月に使っても別に違和感はありません。


もう一つのシダレヤナギについては自宅用にもう少し華やかなものが欲しいと思い、新たに金銀のヤナギを買いに行きました。

サイズ的に全体がとらえきれず、何も手を加えないとあちこち暴れて写しにくいです。


赤い実と金銀ヤナギが揃ったところで、何か肝心のものが欠けていませんか?

正月と言えばマツ!

ということで、これにワカマツも加えて、晴れて正月花が出来上がりました。

色としてはクリスマスカラーと同じなのに、マツが入るとお正月です🎍

活ける前のワカマツの写真を撮りそこねましたが、ワカマツは枝がまっすぐ上を向いて伸びているので縁起がいいとされ、花屋さんの店頭に最も多く並ぶマツです。

門扉につける正月飾りや門松に使われたりするのでお馴染みのマツだと思います。

なおマツの結びの部分は水引ではなく金銀ヤナギにしました。


正月なので本当はもっといけばならしい感じの作品にするつもりでしたが、結局当初目指していたところとはかけ離れたものになってしまいました。

特にヤナギの扱いかた。

ヤナギは柔らかいので色々な形に加工が可能ではありますが、私が一番好きなのは細い枝がゆらゆら揺れて枝垂れている本来の姿です。

でも狭い我が家ではそんな優雅な姿を飾れるスペースがなく、いくつか試した結果、この形に落ち着くことになりました。


同じ花材で正月飾りも作っています。

中心の輪になっているのは稽古で使ったシダレヤナギです。

長いままのシダレヤナギはそのまま残っているので、年明けにでもゆっくり活けようかと思っています。


今年のブログは今回で最後と致します。

当ブログにご訪問下さった皆様、大変お世話になりました。

今年一年ブログを継続できたのも皆様のおかげ。感謝申し上げます(≧∀≦人)

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは良いお年をお迎えください (゚▽゚)゚▽゚)ノ

花材も在庫一掃したい

前回のリースを作ることで、余っていた花材を有効利用することができました。

でもそこで使ったのはほんの一部。

レッドウィローユーカリも本当はまだまだ残っていて、家の中を占領したままになっています。

レッドウィローは細いからまだいいとして、ユーカリの方はとにかくかさばって大変。

なのに貧乏性が災いして、なかなか捨てられません。


余っていた花材と言えば、過去に使ったコブシの枝もまだ残っています。

もともとは今年の1月の稽古で使ったもので、枝の形が面白いので、いずれ何かに使えるのではないかと思って取っておいたものです。

邪魔、という点ではユーカリの比ではなく、これこそずっと置き場所に悩まされてきました。

何とかしなくてはと思ってハロウィンの時に少し使ってみたりはしましたが、在庫が多すぎてほとんど解決には至らず。

しかしいよいよ今年も終わりという時を迎え、果たしてこのまま年を越していいのか?と強く反省しました。

ここは思い切って在庫一掃を!p(・∩・)q


ということで、いつものように、捨てる前の最後の花活けです。

コブシの枝は白くペイントしました。

トナカイの角を意識してみたのですが、どうでしょう?

ボール状のグリーンは前回のリースで使ったヒムロスギです。

これも稽古花材の半分ほどが残っていたので、丸くギュッとまとめて、めでたく全部使い切りました。

ポイントとなっている赤は先日の鉢花のポインセチアです。

結構切り花として使ってしまったので、肝心の鉢の方はもう見る影もありません。お役目ご苦労様、といったところでしょうか。

あとは着色したマツカサやワタカラなどのオーナメントたち。

これは毎年活躍するものなので、在庫一掃の対象ではないですね。


年末になると「今年の○○は今年のうちに」という言葉をよく聞きますが、何か大きな区切りが無いと家の中もなかなか片づけられません。

最初に話したユーカリですが、水につけておいても一部ドライになってきました。

ドライになったユーカリをリースに使ったりする人もいるけど、元来マメじゃない私にはそんな素敵なことができるわけもなく^^;

なのでユーカリも今年中に処分しようと思います。

だけどレッドウィローについては断捨離とはいかなさそうな予感。

レッドウィローについて「水引みたい」という感想を寄せて下さった方たちがいらっしゃいましたが、レッドウィローは長持ちするし、あわよくば正月にも使えるよね、というエコ精神(笑)が頭をもたげています。

結局すべての花材を断捨離とはいかないようで..

まあ、エコと断捨離は繋がっていると言うし、いいのかな\(^o^)/