気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

残りもの花材も寄せ集めてクリスマスリースを作ってみました

先日のアカヅルを土台にして、遅ればせながらクリスマスリースを作ってみました。

ベースとなるグリーンには今回の稽古で購入したヒムロスギを使用。

クリスマス時期に俄然出番の多くなる花材の一つです。

毎年12月に入ると、教室でもクリスマス関連の花材が登場するようになります。

なので大きな声では言えませんが、12月の稽古はそれを当てにして行っているところがあります。

おかげさまで今回はヒムロスギを手に入れることができました^_~


このヒムロスギのほかに、前回のユーカリとレッドウィロー、そしてその前に使ったハンノキの実もリースに入れ込むことにしました。

完全にありあわせの花材ですけど、一応完成。

もともと家にあったシルバーのメタセコイアと白く着色したマツカサも入ってます。

ハンノキの実、目を凝らさないと分からないかも^^;

本当はベースにもっと色んなグリーンを使って変化を出したかったのですが、教室でリースに使えそうなものが他になく、かといってわざわざ花屋さんに買いに行くほどのやる気も無いので(困ったもんだ)、ヒムロスギだけで妥協しました。

いい加減な作りだけど残りものの花材でも何とかなるものねー

と思っているのは私だけ?


今回は思ったほど教室にクリスマス花材が無くてだいぶ当てが外れたのですが、それでもそこにあったのがモミノキでなくて幸いでした。

本当はモミノキが一番クリスマスらしくてテンション上がるものだとは思うし、人気のある花材であることは確かです。

でも前に活けたコウヤマキと同じく、モミノキもヤニが凄く手に付くんですよね。

それに葉がとげとげして痛くて、手袋でもしないとやってられません。

マツ科の植物だから致し方ないのですが...と思ったら、お正月はマツが待ってました!

クリスマスはうまく切り抜けたけど、正月のマツは欠かせませんからね。

結局ベタベタとイタイタは避けられないようで(‐∀‐;;

クリスマスの花といえばポインセチア

いよいよクリスマスが近づいてきました。

私は特にこれといったイベントがあるわけでもないのですが、美しいイルミネーションを眺めているだけで何か特別な気分になります o(^-^)o

花屋さんの店先にも数々のリースが並んでいて、それを見て回るのも楽しみの一つ。

どんなリースが飾られているかでその店のセンスが問われるところでもあります。


さてクリスマス時期に登場する花、といえばやはりポインセチア

今はどこの店でもポインセチアの鉢植えであふれています。

色も定番の赤のほかに、薄いピンクや黄緑系、斑入りのものなど結構バリエーションがあって、それぞれに美しいです。

私は何度も言うように園芸下手なので、今までポインセチアの鉢植えを買おうと思ったことはありませんでした。

だけど今回これでもか!というほど鉢が並んでいるのを見ているうちに、無性に欲しくなってとうとう買ってしまいました。

好みとしては淡いピンクか白だったのですが、やっぱり基本は赤でしょう、ということでオーソドックスな赤を購入。

それほど大きくない鉢花ながら、しっかりとした赤でなかなか立派です。


で、買ったはいいけど、このポインセチアはそのまま部屋に飾るだけ?

と思ったところで、ちょうど稽古で使ったユーカリとレッドウィローが目に入り、それと合わせて活けたらどうかと考えました。

ユーカリは以前にも登場しましたが、これもクリスマスによく使われる花材です。


レッドウィローは日本語で言うと赤柳。

染めたように鮮やかな赤い柳です。

前回のアカヅルと同じく一本の長さが2m近くあって、とても全体を写せませんでした。


そしてこの3つを合わせてみたら、こんなアレンジになりました。

ポインセチアが入るだけで一気にクリスマス🎄

これに銀の柳をたらしたり、オーナメントを付けたりなどしたら、一層クリスマスらしくなりそうです。


レッドウィローは特にクリスマスとは関係無いと思いますが、赤い色がクリスマスや正月の演出に一役買うのは間違いないところ。

ただ枝がとても細く、思ったより印象が弱くなったりするので、私は見せ方に苦労することが過去多かったです。


ところでポインセチアは主に鉢花として売られていて、切り花としての流通量はあまり多くはありません。

収穫した後の品質低下が早いため、という話を聞いたことがあります。

近年では品種改良が進んで切り花向きのポインセチアも増えているそうですが、地元の小さな花屋さんでは残念ながら見かけませんでした。

そういえば教室で先生がポインセチアを活けた時も、鉢花から切り取っていたのを思い出しました。

今回はたまたま思いついて挑戦したことでしたが、その場で切り取って使うなら鉢花のポインセチアも結構いけるんだと分かって良かったです。

思わぬ収穫! 勉強になりました d(⌒o⌒)b

これもクリスマスに使えそう

前回花材として使ったカキについて、食べることに関心を持たれた方がちらほらいらしたようで(笑)

タイトルに「秋の果物」と入れたのも影響したでしょうか。

実は教室で活けている時にも、食べられるカキなのか聞いてきた稽古仲間がいました。

どうやらカキが好物の様子だったので勧めてみたところ、「うーん」と言って結局手を出さずじまい。

私自身はカキが好きではないので最初から食べる気は全く無く、そしてその後もこれを食べようという勇気?ある者はいないまま、結果としてぺんたんさん(id:senninlife)の想像通り、観賞用として役目を終えました。

これがビワだったらねー。好物なので自分で食べたと思うのですが (^^♪


さて今回の花活けは4種類の花材を使いました。

1つ目はハロウィンの時に使ったフォックスフェイス

長持ちするとは思っていたけど、かれこれ2か月以上経つのにまだ頑張っています。使い回しの最長記録かも (ノ゚ο゚)ノ

フォックスフェイスのほかは使い回しではない花材で、グリーンのアンスリウムと黄色のオンシジウム

そしてアカヅル、です。

アカヅルはこのブログでは初めての登場。

この写真のアカヅルは活け終わった後に3本束ねて丸めてみたものです。

元々の1本の長さは、伸ばすと2m近くありました。

アカヅルは生で売られているものとドライのものとがあるのですが、今回のは生素材だったので枝が柔らかく、このように丸く仕立てることも可能でした。(ちょっと歪んでるけど)

枝の太さは、今回の場合太いところでも4~5mm程度しかなく、1本の線で使うとちょっと存在感に欠けるといった印象です。

でも長いツルの1本1本の曲線を生かしたく、こんなアレンジにしてみました。

ツルの先の方が細すぎて、やはりいま一つ弱いかな。もう少ししっかりした線になると良かったのですが |ω·`)


このブログを始めたころはオンシジウムが苦手だと言っていました。

でも振り返ってみると、何だかんだでもしかしたら一番使っている花かもしれません。

分からないものですね。人間関係と同じでしょうか?

なんとなく敬遠してた人といつの間にかとても親しくなっていたり、なんてこともあるし。

まあ、残念なことにその逆もありますけどね。


今回のアカヅルは最初の写真のように、丸めてリースの土台としてよく使われる素材です。

生の状態であれば曲げ易いのですが、ドライになってしまうと加工は困難、というかほぼ無理。

もしドライのものの形を変えたいと思ったら、しばらくぬるま湯につけておくと少し柔らかくなるので、ある程度は何とかなるかと思います。


前回のハンノキと今回のアカヅル、期せずしてクリスマスに役立ちそうなアイテムが揃いました。

着々とクリスマスに向かって準備してる...

ということは全く無くて、いつも本当のぎりぎりにならないとやらないタイプです。

せめてこの2つの花材はちゃんと利用したいと思っておりますが ^o^

秋の果物で花活け

前回に続いて今回も実ものの花活けです。

今回の花材はカキ(柿)。
秋の代表的な果実ですね。

このカキは直径3cmくらいの実で品種は分かりませんが、通常の稽古花材では富有柿のような大きな実が登場することはほとんどないように思います。

逆に花材で一番見かけるカキは、直径1.5cm程度の小さい実をつけるマメガキ。

こんな感じのものです。

マメガキは販売されているときは黄緑色の実で、その後黄色に熟します。

いわゆる柿色ではないため、近くに寄ってみないとカキだと分からないかもしれません。

今回のカキは富有柿をそのまま小さくしたような感じですが、小さいと言えども結構な重さがあるのでバランスを考えて入れないと花器ごと倒れてしまいます。


そんなカキに合わせてみたのはハンノキでした。

ミニサイズのマツカサみたいな実がついている、この上なく地味な枝。

ちょっと曲げようとするとパキッと折れてしまうし、枝ぶりもそんなに魅力的とは思えず、融通が利かなくて活けにくそうな花材に見えました。

だけどこの焦げ茶色の実、どこかで見覚えがありませんか?

これからの時期に活躍するもの、つまりクリスマスツリーやリースに使われる実なのです。

別にそれを狙って花材に選んだわけではないですけどね。偶然です、あくまで ( ̄∀ ̄)


ということで、今回は実もの同士の取り合わせになりました。

出来上がった結果はこちら。

カキはやっぱり和のイメージが強いと思い、私が持っている唯一和風の器に活けてみました。

と言ってもこれは花器ではなく、蕎麦徳利か何かなのですが。


カキもハンノキもたくさん実が付いていたにもかかわらず、使ったのはこれだけという、さっぱりとしたアレンジになってしまいました (^_^;ゞ

カキは小さくても存在感があるのは想像ついたのですが、地味で小粒のハンノキの実も意外と主張していてちょっと驚きです。

ボリュームは無いけれど、とりあえず秋らしい風情のいけばなになったかな、と自負しております。


前回のヒメリンゴコウヤマキのアレンジで、クリスマスを連想された方々がいらっしゃいました。

よくぞ気付いてくださいましたヽ(゚∀゚)ノ

リンゴはクリスマスオーナメントの定番だし、グリーンのコウヤマキと合わせたらクリスマスカラーだなー、なんて私も思っていました。

そして今回のハンノキの実。

ヒメリンゴはクリスマス本番まで持たないにしても、ハンノキは使えるわね、とひそかに喜んでいます ( ´艸`)

知らないということは恐ろしい?

秋は紅葉の美しい季節ですね。

花活けの世界でも紅葉した枝ものが9月末ごろから登場します。

私も赤く色づいたユキヤナギを先月の稽古で活けました。

本来なら家でもそのユキヤナギを使って作品を仕上げたいところでしたが、残念ながらそれは叶いませんでした。

というのも紅葉した葉は恐ろしいほど落ちやすく、家に持ち帰った時にはもう使い物にならなかったのです。

ある程度分かっていたこととはいえ、すごーく損した気分になってしまいました(ノ_-;)


こうしてユキヤナギは残念な結果に終わりましたが、季節を表現することはいけばなの大事な要素。

そこで紅葉のほかに秋を象徴するものとして、今回は実ものを使ってみようと思いました。

選んだのは赤く熟したヒメリンゴです。

赤というより黒に近い渋い赤。結構好みの色です。

ただこれも雑に扱うとあっげなく実が落ちることがあるので要注意。


このヒメリンゴに合わせてコウヤマキを購入しました。

庭木や公園などで普通にみられる常緑針葉樹だそうですが、何しろ園芸に疎い私は全然気付いていませんでした。

そしてこれを活けるのも今回が初めて。

パッと見、マツに似た感じでマツと同じようにヤニが手にべったりと付きます。

また、私が買ったものには付いていなかったのですが、マツカサのような実が付いている枝もありました。


この2つの花材を使ってこんなアレンジにしてみました。

横に張り出した形のせいで、画面に収まりにくい!

ヒメリンゴの枝は矯めが効かないので自然の形を生かすしかなく、良さそうな枝の線を組み合わせるのにちょっと苦労しました。

花材は2つしか使っていないけれど両者とも存在感があるし、ぶら下がっているヒメリンゴの実がベルみたいで可愛いんじゃない?なんて思っています。


今回使ったコウヤマキですが、高野山に多く見られたので高野槇と名付けられたそうです。

日本原産で、分類はコウヤマキコウヤマキ属、他にこの分類に属する植物はない1科1属1種の植物とのこと。

円錐形になる樹形が美しいため世界三大庭園木の一つと言われ、スカイツリーのデザインの原点になっているとか。

無知な私はそんな話初めて聞きました。

知らなかったと言えば、コウヤマキ秋篠宮悠仁様のお印であることも。

ひぇ~(|||_|||) そんなご立派な木だとは夢にも思わず、手がベタベタ汚れて嫌なのよねー、なんて文句垂れてました ^^;

言われてみれば、どことなく品格のある木のような...

偶然手にした花材でしたが、おかげで大変勉強になりました y(^ー^)y

同じ仲間の植物でも立場は色々

花活けの花材として、時々空き地や道端の雑草を調達してくることがあります。

このブログでも過去にナズナエノコログサなんかを活けたりしました。

そういうわけで私はとてもお世話になっている雑草ですが、庭や畑の雑草に悩まされている人にしたら迷惑以外の何物でもないですよね。


そんな困り者の雑草の中にカヤツリグサというものがあります。

ちょっと調べてみたら、数々の雑草の中でも最強と言われる非常に厄介な植物らしいのですが、今回の花材はこのカヤツリグサと同じ仲間のシペラスでした。

シペラスはカヤツリグサ科シペラス属の総称で、そのシペラス属には700種ほどあり、日本のカヤツリグサもそこに含まれます。

花材や園芸用となるシペラスにはいくつかあるのですが、今回のものはその中でもよく出回っているマダガスカル産のシュロガヤツリという品種になります。(花材としてはシペラスの名で売られています)


そしてこのシペラスは、茎の部分が以前活けたフトイとそっくり。

それもそのはず、フトイもカヤツリグサ科の植物でした。

フトイと同じタイプということは、折り曲げちゃったりできるんですねー (^∀^)v

で、早速曲げて活けてみました。

ちょっと分かりにくいですが、透明なガラスの器に入っています。

オレンジ色のグラジオラスと合わせてみました。


グラジオラスは誰もが知っているポピュラーな花なのに、意外と活けることは少なかったかも。

何本かまとめてガラスの器に放り込んだだけでも十分美しい花ですね。


例によって購入から数日たっているので、シペラスの緑の先端が少し変色しています(^^ゞ

この緑の葉のように見えるものはつぼみを包む苞と呼ばれるものなのだそうですが、傘のように開いた苞によってフトイとは違う面白さが生まれ、なかなか興味深い花材だと思いました。


今回は前回のツルソケイの曲線を生かしたアレンジとは真逆で、カクカクとした直線のアレンジになりました。

シペラスやフトイのような真っ直ぐな茎を曲げたりするのは花活けの世界では当たり前のようにやっていることですが、見る側からするとあまり好まれない場合もあるかもしれません。

でもその植物でしかできないことがあるとやっぱりやってみたくなる。

そこに新しい発見もあったりして、それが花活けの楽しさの一つだと思っています。

流れるようなラインのアレンジ

花活けで花材を選ぶとき、私は結構迷います。

あらかじめどういうものを活けるか決まっていたり、花屋さんで目についたものを買う場合はいいのですが、問題はいけばな教室に行ってその場で花材を決めなければならない時です。

事前にこういうものを活けたいと思っていたとしても、その日に期待通りの花材が稽古場にあるとは限らないので、結局は出たとこ勝負にならざるを得ません。

さっさと決められる潔い人もいる一方、私はいつもグダグダして出だしから時間を浪費してしまいます。

だけどそんな私でも、たまに意外とあっさり決まる場合があります。

それは、ちょっと活けてみたいと思わせるような面白い花材に出会った時。

今回の花材はまさにそういう類いのものでした。

ツルソケイというモクセイ科ソケイ属の常緑低木です。

常緑なので本当は緑の葉が付いているものなのですが、今回は葉を取った状態のものが売られていました。

なお、いけばな花材でいうところのツルソケイは、ウンナンオウバイ雲南黄梅)とかオウバイモドキと呼ばれるもののことです。

春にウメに似た花が咲くことから名前にオウバイと入っているそうですが、ウメとは関係なく、ジャスミンの仲間で美しい黄色い花を咲かせます。

そんなツルソケイ、ツルの動き具合が見事です。

写真のツルソケイは、稽古で先端を切ったり蔓を少し間引いたりした後のものなのでちょっと寂しくなっていますが、本当はもっと先の方まで長く綺麗なカーブを描いていました。


そして、このツルソケイのお相手に選んだ花材は淡いピンクのカラーでした。

カラーはスラリとした長い茎も特徴の一つです。

それとツルソケイを合わせてみるとこんな感じになりました。

全体的に横に流れるようなラインを作りました。

ツルソケイの枝とカラーの茎のカーブがちょうどハマった気がします。

ツルソケイの葉が付いていたらまた印象が変わり、それはそれで美しいはずですが、葉が無いと枝が描き出す自由奔放なラインがより強調されると思います。


今回のツルソケイのようにはっきりした個性を持つ花材はとても魅力的な存在です。

中には、自然の姿のまま何も手を加えなくても芸術的、という花材もあり、そういうものを活けた時は自分の腕が一気にレベルアップしたような気分になります。

まあ、あくまで錯覚ですが(‐∀‐;; 

一方、強い個性に太刀打ちできずにお手あげ、という花材もあり、自分の未熟さにガッカリすることもしばしば。

それでもそうして様々な花材に向き合っていくうちに、少しずつでもその扱い方が分かってくるのではないかと期待しています。

実際、そうでないと困るし (^_^;)