気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

綺麗な時に活けたかったけど

前回はキブシについてマイナスなことばかり言ってしまってスミマセンでした。

キブシが好きな方に申し訳なかったばかりでなく、全くキブシをご存じなかった方にも悪いイメージを与えてしまったのではないかと、深く反省しております。

もともと私もキブシに対して嫌なイメージはなかったし、稽古仲間の話を聞いていなければ変な連想しなかったかもしれません。(人のせいにしている ^^;)

とにかく前回ご訪問下さった方々がキブシを嫌いにならないよう祈るばかりです。


さて今回稽古で使った花材は、ウンリュウヤナギの一種であるドラゴンヤナギでした。

ドラゴンウンリュウヤナギと言ったり、ドラゴンヤナギと言ったり、あるいは単にドラゴンという場合もあるみたいですが、ここではドラゴンヤナギと呼ぶことにします。

ドラゴンヤナギはウンリュウヤナギと同じく曲がりくねった枝が特徴のヤナギですが、ウンリュウよりも大きく、枝も太く立派で、また枝の色が時期によって黄色~赤色になるのが特徴です。

稽古花材くらいの切り枝だと、あまり大きさの違いは感じませんが。


そして、今回のドラゴンヤナギは珍しく新芽の出ている枝でした。

赤い枝に緑の新芽の対比が非常に美しく、教室の先生方も次々に寄ってきて「すごく綺麗!」と絶賛されるほど。

久々のヒット商品を手にして上機嫌で帰宅した私でしたが、結局その美しい枝が我が家で活かされることはありませんでした。

まずもって切り枝の新芽は水下がりがしやすく、長持ちしません。

それは重々わかっていたのですが、にもかかわらずなんだかんだで活ける時間がなく、なんと購入から1週間も放置することになってしまいました。

そりゃあいくらなんでも持ちませんよね。
黄色く変色した葉がハラハラと落ちる姿を眺めるしかありませんでした。

かろうじて残っていた緑葉の部分を写真に撮ってみました。

花の活け時という言葉があるのかわかりませんが、活けるのに一番良い時を逃してしまいました。

でも葉はダメになってしまったけど、枝自体はいたって元気です。

大ぶりの立派な枝だったし、いつまでも嘆いていても仕方ないので、気を取り直して活けてみました。

未練がましく、中途半端に葉が残っています。

教室だったら、「葉を取りましょう」と注意されるところですが、家だからまあいいか (^^ゞ


合わせたのはタンチョウアリウムと、白とグリーンの各種ラナンキュラスです。

タンチョウ(丹頂)アリウムはドラゴンヤナギと一緒に稽古で購入したものなので、これもだいぶ花が開いてしまっています。

丹頂(てっぺんが赤い)という名前の通り、全体が緑色のつぼみの状態から徐々に頭の部分が赤紫色のつぼみに変色していくのが特徴で、花が咲き進むと全体が赤くなります。

今回のタンチョウアリウムも、最初は頭の赤い部分が全体の3分の1程度でまだつぼみでした。

なお茎のくねくねは生育の段階で人工的に曲げて作ったものです。


ラナンキュラスは今回の2つの稽古花材に合うかなと思って、白とグリーンを近所の花屋さんで買ってきました。

ラナンキュラスはいま本当に種類が多くて、花屋さんでもすごく迷ってしまいました。

これから先もどんな品種が出てくるのか、とても楽しみな花です。


以前にもお話しましたが、ヤナギ類やミズキ科の植物は数日水につけておくだけで根が出てきます。

今回のドラゴンヤナギも実はもう根が出てきました。

このまま置いといたら、また葉っぱが出てきたりして。

これもなかなか捨てられない花材になりそう。 嫌な予感がします ^^

いろいろな見方があります、という話

以前いけばな教室の先生が、あることがきっかけで「素人の目線の大切さを改めて思った」という話をされました。

それは公共の場に花を活ける場合に意識すべきこととして話されたものでしたが、素人の目線ということでは私も教室で常々感じていることがありました。

私が通っているいけばな教室は、全く初めていけばなを習う人もいれば既に多くのお弟子さんをもっているベテランの方もいて、いわばプロと素人が混在しているような状態になっているのですが、そのなかでベテランの方々の作品は言うに及ばず、習い始めたばかりの人の作品からも学ばせてもらうことがよくあります。

むしろ素人に近い人にはある種意外性があって、新しい視点に出会える面白さをそこに感じています。

冒頭の先生の話は、どの世界にも見受けられる、《通好みだけどあまり一般受けしない》というパターンに通じる話だと思いますが、それはいけばなを含めた伝統芸術と呼ばれるものに共通する課題でもあるかと思っています。

いけばなの抱える問題については話が長くなるのでここではやめておきますが。


そもそも何でこんな話になったかというと、今回稽古で使った花材がもしかしたら一般受けしないものではないかと思ったからです。

その花材とは、春の花木の一つである日本原産のキブシです。

淡い黄色の花がフジの花のように垂れ下がるのが特徴で、花活け界ではよく使われるし、好んで活ける人も多い花材なのですが、果たして一般的にはどうなのか?

実をいうと私の周りの花活けをする人たちからは、これが嫌いだという声を結構聞きます。

技術的に扱いにくいとかいうことではなく、まさに見た目が嫌で、毛虫がぶら下がっているように見えるというのが理由。

初めはそんなふうに思わなかった私も、そんな話を聞くともはや毛虫にしか見えなくなってしまいました (ノω<;)

ちなみに花をアップにするとこんな感じ。

どうでしょうか?

花が咲く前のつぼみの時は黒っぽいので黒い虫、花が咲くとコロコロ太った芋虫! どっちにしても虫だった ^o^


あ~、何でこんな枝を選んじゃったんだろう、と思いながら、教室ではほとんどそのままの枝の長さで活けました。

枝もの花材は元々120~130cmはあるので(もっとあるかも?)、作品も横幅がそのくらいの大作になってしまいました。

でもそういう活け方をするのも一つの手かもしれません。
何しろ枝が長い分、毛虫が目立たなくなるんでね (^^ゞ

残念ながら家ではそんな活け方は不可能なので、いっそのこと捨てちゃおうかとも思いましたが、そこを何とか耐えて活けることにしました。

合わせたのはオレンジのモカラと黄色のブルビネラ、前回使ったオクラレルカです。

ブルビネラは、長い茎の先に星型の小さな黄色い花が穂状に咲くユリ科の植物です。

先端のグリーンの部分はつぼみで、下から順々に花が咲き上がっていきます。


キブシはなるべく毛虫を感じさせないようにと思って、四方に枝を飛ばしてみました。

中心にキブシの花を固めて入れてしまうと、虫がたかっているみたいになりそうだったので(>_<)


キブシを愛する方々もいらっしゃるのに、ネガティブな話ばかりしてしまって申し訳ありませんでした。

キブシについてはあくまで私個人の印象です^^;

どんな花材でも人によって好き嫌いはあるということで、大目に見ていただければ幸いです。

ちょっと息抜きのアレンジ

まだまだ稽古場では花木が真っ盛りですが、さすがに花木が続きすぎてちょっと疲れてきた感があります。

この辺でそろそろ草もの系に行ってみようかという気になって、今回は枝ものを使わずに活けてみました。

あっさり仕上げました。

使ったのはグロリオーサとオクラレルカ。


グロリオーサは熱帯産のユリ科の植物です。

つる性で、このアレンジでは葉を取ってしまいましたが、葉の先端が巻きひげ状になって、他のものに絡まりながら伸びていきます。

花材としてのユリはあまり好きではないのですが、グロリオーサは別で、間違いなく私の大好きな花の一つです。

花の内側が外へひっくり返ったような形が面白く、花弁の縁が波打っているのも個性的。

私はどちらかというと甘い感じの花より、グロリオーサのようなスタイリッシュで個性の強い花の方に惹かれるところがあります。


クラレルカはアヤメ科の植物で、アイリスの一種です。

見た目がまさにアヤメの葉ですね。

やはりアヤメのような小さな花が咲くそうですが、花付きのものはほとんど出回ることがなく、もっぱら葉もの花材として流通しています。

実際私も葉っぱのオクラレルカしか見たことがありません。

花活け界ではすごく人気のある植物で、オクラレルカに特化した作品を作られる方もよくいらっしゃいます。

そういう方々からすると、私のはなんとまあテキトーな活け方。

性格表れてます (^^ゞ


今回は久しぶりに枝ものを使わない花活けで、気分転換になりました。

ところで前回のツバキでつぼみが付いた枝が残っていましたが、開花し始めたところで活けようとしたものの、結局うまくいきませんでした。

先日のコブシとはちょっと違うことが原因です。

皆さんご存じのように、ツバキは徐々に花弁が散るのではなく、花がそのままの形で突然ボタッと落ちます。

そして今回のツバキは切り枝だからなのか、花ばかりでなくつぼみもちょっとしたことで良く落ちました。

結果、つぼみが沢山あった枝はみるみるうちに殺風景な枝に様変わり。

落ちずに済んだものは綺麗に咲いてくれたんですけどね。 残念 (x_x)

名残惜しいので、残骸を集めて小さいアレンジを作ってみました。

花に負けじと葉っぱも良く落ちたので、落ちた葉と落ちた花の花弁をコップに入れて、花一輪添えました。

そもそも花が咲いたら活けようと考えたのが大きな間違いだったと思います。

つぼみ自体の開花率は結構高いようなので、つぼみの段階で活けておいて、そのまま開花を待っているべきでした。

バラのようなツバキ

またまた花木の花活けです。 しつこいわねー(´^ω^`)

今回は誰でも知っている花木、ツバキです。

なんと私は過去にツバキを活けたことがありませんでした。

別に避けていたわけではないです。
何となく活ける機会が無いまま来てしまっただけ。

先日の稽古で花材を選ぶとき、ツバキにしようかどうしようか迷って稽古仲間に「ツバキってどう?」と聞いたら、「難しいよね。」という返事でした。

じゃあ、やめとこうかな、今日は疲れてるし、と思ったのですが、いままでツバキを活けたことがないという話をしたら、「だったら絶対活けたほうがいい!」と猛烈プッシュされたので、ついにツバキに挑戦することになりました。


一口にツバキと言っても数多くの品種があって、人それぞれ思い浮かべるツバキは全く違うかもしれません。

そのなかで今回の稽古場にあったのはオトメツバキでした。

可愛い!

オトメツバキを好きだという人は結構多いのではないでしょうか。

花だけ見ているとまるでバラのようです。

そういえば今年のお正月にピンクのバラを活けました。

試しにその時と同じ花器にツバキを入れてみると、

葉を取ってしまうと本当にバラと言っても通りそうです。

普通ツバキは和のイメージだけど、アイビーを合わせたら洋の雰囲気になったでしょうか?


ツバキは花だけでなく、ツヤツヤのしっかりした葉も魅力です。

今度はちゃんと葉の付いたツバキの花を活けてみました。

ツバキのみの一種活けです。

同じ花木でも、ウメとかサクラのような落葉樹だと花を観賞するときには葉は出ていないことがほとんど。

それに対して常緑のツバキは花と葉が同時に楽しめるので、ちょっとお得感あります。

今回のツバキはまだあまり花が咲いていなかったのですが、つぼみはたくさん付いていました。

このアレンジもつぼみが全部咲いたら、ぐっと華やかになりそうです。

ちなみにつぼみの付いた枝はまだ半分以上残っているので、それが順調に揃って開花したらもう一つ作品ができるかもしれません(先日のコブシの二の舞にならないことを願う)。


ところでこのアレンジで最後まで迷ったところが一つあります。

それは一本長く伸びた枝の一番下の葉を取ろうかどうしようか、ということ。

そもそも長い枝はいらないという選択肢もありますが、あまり無難にまとめたくなかったので今回はこれでいくことにして、そこに迷いはなかったんですけど。

いちおう葉を取らないのを最終形としたものの、気になりだすとどうにも止まらなくて、次の日とうとう我慢できずに取ってみることにしました。

あまり変わらない? 大した問題じゃなかったですか?

というか、葉を取った方は枝のカーブを若干強くしたので、そちらの方が争点だったかも。

あらら? ということは葉を取らないでカーブを強くする選択肢もありましたね(×_×)

黄色い花の花木 ☆ サンシュユ

調子に乗って、引き続き春の花木です。

いよいよサクラが登場、と言いたいところでしたが、今回もちょっとマイナーな花木になりました。

ミズキ科の落葉樹、サンシュユです。

これ、花木にしては地味すぎない?と思ったアナタ!

同感です^^

その時によってもう少し花が目立つ場合もあるんですけどね。

巡り合わせが悪いのか、私が目にするサンシュユの枝はあまり花付きの良くないことが多くて、おかげで、私の中ではサンシュユはずっと「地味~な花木」でした。

なので、教室で目にしても全く興味を惹かれることなくスルー。


そんなある日のこと、教室の先生がデモンストレーションでこのサンシュユを活けられました。

「黄色い花が綺麗ですね。この枝は矯めがきいて好きなように曲げられるので、とても良いんですよ」と説明されながら、あっという間に作品が完成。

それは私好みの、空間を大きく使った、もの凄くカッコイイものでした。

そこからサンシュユに対する見方が一変。

是非是非活けてみたい枝ものになりました。


先程の写真だとよく分かりませんが、アップにするとこんな感じの花です。

なかなかキュートな花です(ちょっとピンボケ)。

サンシュユは庭木や公園の木として植えられることが多いとのこと。

ということはマイナーと思っていたのは私だけ?
何しろ園芸に疎いもので (^^ゞ

図鑑で見ると、黄色い花が満開になったサンシュユは見ごたえのある美しい木のようで、切り枝とはだいぶ印象が違うみたいです。


さて今回の稽古で、念願のサンシュユを手にした私。

心ゆくまで枝を曲げて、大いに楽しんで稽古は終了しました。

その流れで家でも枝のカーブを強調した作品にしようと思ったのですが、手持ちの器ではなかなか思うようにいきません。

結局いつものようにその場の成り行きで仕上げる結果となりました。

黄色と黄色のアレンジです。

チューリップの黄色が強いので、ますますサンシュユが地味に見えるかも。

でもチューリップと合わせたことで、春らしさが増したような気がします。


ブログの作品は自分の家に飾るための花なので、スペースの関係上ほとんどがコンパクトなものになってしまいます。

だけどこのサンシュユも含めて枝ものって、部分的に使いたい場合は別として、本来大きく使ってこその素材だと思っています。

まあ部屋を広くすることはできないので、ここで愚痴っていてもしょうがないのですが。

その分稽古場ではなるべく大きく活けて、ストレス溜まらないようにしています (^-^)


今回のサンシュユは、何でもっと早くその魅力に気づかなかったんだろう、と大いに反省させられる花材でした。

サンシュユのことを勝手にマイナーな花木と言ってしまいましたが、花活け界ではよく使われるメジャーな枝ものです。

だから手にする機会はたくさんあったのに、ずっと無視し続けてきたなんて本当にもったいないことしました。

サンシュユに限らず、先入観でなんとなく敬遠してしまうことがたびたびあって、以前にも同じような反省を口にしていましたが、懲りないですね。悪い癖です \(-_-;)

これからはあえて自分が今まで避けてきた花材に挑戦してみるのも良いかもしれません。

満開のアオモジが予想外のことに

前回のアオモジとサイネリアが全部使いきれなかったので、余った分でもう一つ作品を作ることにしました。

それに稽古で使ったクロメヤナギも追加。

クロメヤナギは枝の色が赤く花芽が黒いヤナギですが、初めのうちは黒というより赤っぽい色の花芽で、開花が近づくにつれ黒くなります。

写真の左下のあたりに、黒でも赤でもないちょっと黄色っぽい芽があるのが分かるでしょうか?

これは花が咲いた状態です。

家に持ち帰ってから2,3日して咲いたのですが、最初は花が咲いたということが分からず、大きな毛虫が現れたのかと思ってギョッとしてしまいました ( ̄▽ ̄;)

こうして写真に撮ると、枝と花芽の対比も綺麗で良さそうに見えますね。

でも写真には写っていない部分で枝がところどころ剥げていて、すごくみすぼらしい印象になっています(はがれた枝の写真撮るの忘れました)。

それはその枝が不良品だったというわけではなく、どうやらこのヤナギの持つ特徴の一つみたい。

稽古で活けている最中にも皮がペリッとはがれたりして、大丈夫なのか?という感じでした。

花芽の色にこだわりが無く、単にポコポコした花芽のヤナギが欲しいということなら、私だったら、アカメヤナギ(ネコヤナギ)を選ぶかなー。

クロメヤナギの良さがまだ分かっていないのかも。

ごめんね、クロメヤナギ ヾ(^-^;)


とはいえ、やっぱり花材は大事にちゃんと使い切らないとね。

で、仕上げた作品がこちら。

先程お話した、皮がはがれた枝が少しだけ混じっています。

長く伸びた3本の枝の交差した先で、一番左にある部分です。
拡大しないと全然わからないと思いますが。


ところでこのアレンジ、実は仕上がりのチェックを何もしないままの状態で、直したいところ満載の作品です。

普通はざっと仕上げたあとに眺めてみて、おかしいと思うところを何度も手直しして、時には大幅に形が変わることもあるのですが、今回はそういうことは一切せず、さっさと片付けてしまいました。

なぜそんなことになったかというと、

アオモジの花粉が凄かったんです!

活けている最中、やけにクシャミが出るなー、とふと下を見たら、黄色の粉がテーブル一面に広がっていました。

そういえば以前教室で、ミモザアカシアを活けていてクシャミが止まらなくなった人がいたっけ。

花活けで花粉症が悪化したという話も聞いたことがあります。

あぶない、あぶない (>_<)

よって今回の花は即撤去!

エコも貧乏性も無かったですね。即断即決、でした。


というわけで、花粉症の人は花が咲いたアオモジを活けるのは避けた方が無難です。

ただ花粉のことは抜きにしても、私個人の感想としては、アオモジはつぼみの方が花材として良いように思いました。

他の花材と合わせた時に、つぼみの方が作品にメリハリが出るというか、表現が明確になるような気がします。 ※あくまで個人の感想です。

まあ咲いた花も可愛いし、活け方にもよるし、好みの問題もあるので、どちらが良いとも言えませんが。

今度稽古でアオモジを使うことがあったら、その時は家に飾るアレンジもつぼみの状態で仕上げたいと思います。

季節の花材 ☆ アオモジ

花材には一年中手に入るものと、その季節でしか購入できないものがあります。

いつでもあるのも大変便利で助かりますが、その時にしか買えないというのは購入意欲をそそりますよね。

私も季節限定という言葉に弱くて、お菓子なんかだとすぐ飛びついてしまいます。

そして今回の稽古でも、そんな季節ものの花材を使用しました。


いまの時期、冬から春にかけて登場する季節花材といえば、何と言っても花木。

というわけで今回選んだのは花木です。

そういえば先日使ったコブシもそうでした。

今回の稽古場にあった花木はモモ、サクラ、レンギョウユキヤナギコデマリ等々。

どれも春らしく明るい雰囲気で非常に迷うところでしたが、ちょっと変化球で私が選んだのはアオモジでした。

アオモジって言われても、あまりピンとこないですか?

いまなら大体どこの花屋さんでも置いてあると思います。

花、咲いてない。というか、これって青い実もの花材じゃないの?

と思われるかもしれませんが、丸い粒は実ではなくてつぼみです。
なんか紛らわしい見た目。

アオモジはクスノキ科の落葉樹ですが、同じクスノキ科で枝が黒いクロモジに対し、枝が青いのでアオモジと呼ばれるようになったようです。

クロモジは高級爪楊枝(和菓子を食べる時に使うヤツ)の原料だったり、枝を折ると良い香りがするので香料に使われたり、と比較的なじみのある植物だと思いますが、アオモジも爪楊枝の原料になることがあるそうで、やはり割った枝から良い香りがしてきます。

で、このアオモジ、ちょっと放置していたら、花が咲き始めました。

よく見ると一つの粒からいくつも花が咲いているようです。

おかげで咲くと結構なボリュームになって、だいぶ枝の印象が変わりました。


つぼみの状態で家でも活けるつもりでいたので、ちょっと予想外のことになってしまいましたが、咲き終わる前に急いで活けることにしました。

今回は前回と違って、ちゃんと手間暇かけて活けました。

一緒に活けたのは前回のサンカクバアカシアと、同じく稽古で使ったサイネリアです。

サイネリアは鉢植えで人気の植物ですが、切り花でも販売されています。


サンカクバアカシアは長い枝ごと使うと結構存在感ありますね。

いままで使ったことのない花材でしたが、矯めもきくし、見た目も個性的だし、なかなか私好みの花材かもしれません。

たぶん普通の花屋さんではあまりお目にかかれないのも、レア感あっていいかも。


余談ですが、某高級ブランドのお迎え花にこのアオモジが使われているのを見ました。

そこはどうやら月ごとに花のデザインを変えているようなのですが、今月はアオモジを使った花活けになっていて、そのアオモジはいつ見てもつぼみの状態になっていました。

寒いところに置いてあった我が家のアオモジでさえ数日で開花したので、想像するに、暖房のきいた店内にあってはかなり早い段階で花が咲くはず。

アオモジの花が咲いたらデザイン変わっちゃうし、さすが!まめにチェックしてるんだなー、と感心していたのですが、

昨日通りかかったら、あれ?なんかちょっと違う?

ササッと近寄ってみたら、花咲いてましたー! 惜しい!!

見たのが夕方だったので、もしかしたら朝の段階ではつぼみだったのかもしれないけど、今日はまたつぼみの枝にチェンジしたのかなー?

今月はもうその近辺には行かないので、確認できないのが残念 ^^