先日の稽古でとても魅力的な枝ものに出会いました。
ビナンカズラ(美男葛)と言うつる性の常緑樹です。
つる植物独特の枝ぶりが面白いのですが、ビナンカズラの見どころはやはり個性的な形の実。
小さな実がたくさん集まって球状になったものが枝からぶら下がり、緑色の実は熟すと艶やかな赤い実になります。
植物名の由来は、「カズラ」がつる性植物の意味で、「ビナン」はつるからとった粘液をかつて武士などが整髪料に使ったところから来ているそうです。
確かに枝を切って水につけておくとネバネバした液が出てきてちょっとビックリしました😅
稽古ではこのビナンカズラにキクを合わせました。
写真写りが悪いですが、レモンイエローの花弁の先端に緑色が入っています。
キクってうっかりすると仏花にしか見えない場合があるのでつい避けてしまいがちでした。
でも今回のキクは黄色の発色が綺麗なうえ、先端の色が違うところがなかなかオシャレで仏壇臭いイメージはありません (^_^)v
家で花活けするにあたってこれらの稽古花材だけで仕上げても良かったのですが、ここにもう一つ、グリーンのケイトウを加えることにしました。
実を言うとこのケイトウは、グリーンの花が好きということで買ったものの特に使い道がなくて困っていた花です。
ちょうどキクの色に合いそうだし、これ幸いと今回の花活けに参加させることになりました。
そんなケイトウもうまくマッチしてくれればいいのですが?
ビナンカズラの植物学上の名前はサネカズラ(実葛)だそうで、そこからも実の美しさが注目されていると分かります。
ところが今回手にした枝は肝心の実が少なく、赤い実も最初の写真にある3粒だけついたものしかないという、ちょっと残念なものでした。
その3粒の赤い実も無理矢理入れてみましたが全然目立っていません (T_T)
活けている間も実が落ちやしないかとハラハラ💦
これで実がもっとついていたら、あるいは実が全部赤かったら、合わせる花材も含めて全く違う花活けになっていたと思います。
さて今回のビナンカズラは初めて活けた、というか初めて実物を見た花材でした。
稽古のサボリ常習犯だから出会うチャンスが無かったのかと思いましたが(それもあるだろうけど)、どうやら花材として出回ることはあまりないようで、今回購入できたのは運が良かったのかもしれません。
庭木のほか盆栽としての需要もあるらしく、これを盆栽にしたらさぞかし素敵でしょうね。
いつまた会うことができるか分かりませんが、間違いなく私のお気に入り花材となりました。^‿^。