先日の稽古で新しい花材に出会いました。
新しいと言っても私にとって初めてというだけで、特に珍しい植物ではなく、いけばなでもしばしば使われるものです。
その花材とは「センダン」でした。
温かい地域に自生し、日本では伊豆半島以西に分布する落葉高木で、5,6月頃に薄紫の花が咲き、秋になると黄褐色の実がなります。
公園樹木や庭木として植えられることも多く、どうやら地域によっては見慣れた樹木のようです。
ただ花材としてはあまり出回るものではないようで、今回出会えたのは割と貴重なことだったのかもしれません。
とはいうものの、教室の稽古仲間はこの花材のことをよく知っている様子でした。
私とは大違い!
こういうところで日頃のいけばなに対する心構えの違いが出ますねー ( ̄▽ ̄;)
さて、今回のセンダンはまだ熟す前の青々とした実でした。
教室では当然のことながら、いけばならしい作品に仕上げたのですが、家ではいけばなっぽくないものを作りたいと考え、センダンの青い実に合う花を求めて花屋さんへ出かけました。
そこで見つけたのがアストランティアです。
ヨーロッパから西アジアにかけて分布するセリ科の植物です。
中心のふわふわした半球状のところは小花が多数集まっている状態で、その周りの花弁に見える部分は総苞と呼ばれるつぼみを保護していた葉です。
このアストランティアに同系色のワレモコウも入れてみました。
何だか寄せ植えみたいなアレンジになりました。
最初の写真にあったようにセンダンには実のほかに青い細枝が多数ついていて、稽古ではそれを生かした作品にしたのですが、家ではうまくいきませんでした。
というのもこの細枝はちょっと日にちが経つとぽろっと落ちてしまう脆いものだったのです。
またセンダンの実は結構重く、それが枝から垂れ下がる姿が印象的です。
その特徴を利用した活け方も考えられましたが、残念ながら手元に残っていた枝はそれに対応できるほどの長さがありませんでした。
で、最終的に残ったのが青い実だけを使うという方法。
ちょっと言い訳が多くなりましたけど、目指していた方向とは全く違うものになってしまって、だいぶ悔いが残っています(´-ω-`)
なお、このアレンジはどの方角からみても同じフォルムになっているのですが、全方位同じ形というのはフラワーアレンジメントにある活け方です。
そう意味ではとりあえず当初の、いけばなっぽくない、という目的だけは果たせたのかも (^_^;)
今回は器も濃い紫で、センダン以外は全部同じ色になってしまいました。
明るいグリーンに濃い紫というのはとても好きな色合わせなのですが、ちょっと地味過ぎました?
できればシックと言ってもらえると有り難いですけど (^o^)
振り返ると、昨年の秋にも渋い感じの花を活けていました。
秋らしい色合いとは思うのですが、秋というと途端にこういう暗い色になってしまうというのも、何だか芸がない感じ。
もうちょっとイメージを広げてみる必要がありそうです。