気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

同じ仲間の植物でも立場は色々

花活けの花材として、時々空き地や道端の雑草を調達してくることがあります。

このブログでも過去にナズナエノコログサなんかを活けたりしました。

そういうわけで私はとてもお世話になっている雑草ですが、庭や畑の雑草に悩まされている人にしたら迷惑以外の何物でもないですよね。


そんな困り者の雑草の中にカヤツリグサというものがあります。

ちょっと調べてみたら、数々の雑草の中でも最強と言われる非常に厄介な植物らしいのですが、今回の花材はこのカヤツリグサと同じ仲間のシペラスでした。

シペラスはカヤツリグサ科シペラス属の総称で、そのシペラス属には700種ほどあり、日本のカヤツリグサもそこに含まれます。

花材や園芸用となるシペラスにはいくつかあるのですが、今回のものはその中でもよく出回っているマダガスカル産のシュロガヤツリという品種になります。(花材としてはシペラスの名で売られています)


そしてこのシペラスは、茎の部分が以前活けたフトイとそっくり。

それもそのはず、フトイもカヤツリグサ科の植物でした。

フトイと同じタイプということは、折り曲げちゃったりできるんですねー (^∀^)v

で、早速曲げて活けてみました。

ちょっと分かりにくいですが、透明なガラスの器に入っています。

オレンジ色のグラジオラスと合わせてみました。


グラジオラスは誰もが知っているポピュラーな花なのに、意外と活けることは少なかったかも。

何本かまとめてガラスの器に放り込んだだけでも十分美しい花ですね。


例によって購入から数日たっているので、シペラスの緑の先端が少し変色しています(^^ゞ

この緑の葉のように見えるものはつぼみを包む苞と呼ばれるものなのだそうですが、傘のように開いた苞によってフトイとは違う面白さが生まれ、なかなか興味深い花材だと思いました。


今回は前回のツルソケイの曲線を生かしたアレンジとは真逆で、カクカクとした直線のアレンジになりました。

シペラスやフトイのような真っ直ぐな茎を曲げたりするのは花活けの世界では当たり前のようにやっていることですが、見る側からするとあまり好まれない場合もあるかもしれません。

でもその植物でしかできないことがあるとやっぱりやってみたくなる。

そこに新しい発見もあったりして、それが花活けの楽しさの一つだと思っています。