一か月以上前の話になるのですが、いけばな教室の稽古で非常に個性的な形の花材を使いました。
フォックスフェイスです。
初めて見る人にとっては、何だこれ?という感じですよね。
フォックスフェイスは南米原産のナス科の植物で、この黄色い不思議な形のものはフォックスフェイスの実です。
ナスの仲間ではありますが食用にはなりません。あくまで観賞用です。
いけばなでは実もの花材としてよく使われ、そのユニークな形に加えて水が無くても非常に長持ちするということで展覧会でも重宝されていて、とても人気の高い花材になっています。
この写真のフォックスフェイスはまだ青い部分が残っている実もありますが、色は次第に黄色からオレンジへと変わっていきます。実の大きさとしては長さが5~7cmといったところでしょうか。
で、これをひと月以上ほったらかしておいたものがこちら。
しっかりオレンジ色になりました。
色は変われど全く弱ることなく、いたって元気な実です。
さて一方、今回の稽古では濃い紫色のトリカブトを使いました。
トリカブトと言えば、有名な毒草!
ミステリー小説でも定番のアイテムですね。実際にトリカブトを使った殺人事件もあったりして (||゚Д゚)
そんな怖い猛毒植物ですが、切り花として出回っています。
毒があろうが活ける、花活け界ではよくある話です。花自体はとても綺麗ですしね。
この紫のトリカブトとオレンジに色付いたフォックスフェイス..とくれば、もしかしてハロウィンカラー?
期せずしてタイムリーな色合わせ ( ノ゚∀゚)ノ
すっかりその気になって、両者を合わせて活けてみました。
一緒に入っている枝は今年の初めに使ったコブシです。
まったく古い花材をいつまで抱え込んでいるんだか ┐(´д`)┌
我ながら困ったものですが、コブシの枝先のくねり具合にハロウィンっぽい雰囲気があるかと思って使ってみました。
さらに言うと、オレンジと紫以外のハロウィンカラーである黒と白については、黒っぽいコブシの枝と白の器でクリアしたつもりです。
カボチャとかハロウィンを象徴するグッズを取り入れているわけではないので、言われなければこれがハロウィン仕様のアレンジとは思わないかもしれませんが、私としてはフォックスフェイスの独特の形が意外とハロウィンらしさを演出してくれたような気がしています。
ところでフォックスフェイスという名は、実の形がキツネの顔に似ているということから付けられたものです。
確かにキツネの顔に似てはいるけど、どうですかね?
他にも、実の基部にいくつも突起があるのでツノナス(角茄子)とか、色からの連想でカナリヤナスとか色々な名があるようですが、私は最初にこの実を見た時、何だかタコみたい、と思ってしまいました。
もしこれで色が赤だったら決定的じゃないですか?(笑)
いずれにしても一度見たら忘れないユーモラスな姿で、活けていてとても楽しい花材でした。