花材には一年中手に入るものと、その季節でしか購入できないものがあります。
いつでもあるのも大変便利で助かりますが、その時にしか買えないというのは購入意欲をそそりますよね。
私も季節限定という言葉に弱くて、お菓子なんかだとすぐ飛びついてしまいます。
そして今回の稽古でも、そんな季節ものの花材を使用しました。
いまの時期、冬から春にかけて登場する季節花材といえば、何と言っても花木。
というわけで今回選んだのは花木です。
そういえば先日使ったコブシもそうでした。
今回の稽古場にあった花木はモモ、サクラ、レンギョウ、ユキヤナギ、コデマリ等々。
どれも春らしく明るい雰囲気で非常に迷うところでしたが、ちょっと変化球で私が選んだのはアオモジでした。
アオモジって言われても、あまりピンとこないですか?
いまなら大体どこの花屋さんでも置いてあると思います。
花、咲いてない。というか、これって青い実もの花材じゃないの?
と思われるかもしれませんが、丸い粒は実ではなくてつぼみです。
なんか紛らわしい見た目。
アオモジはクスノキ科の落葉樹ですが、同じクスノキ科で枝が黒いクロモジに対し、枝が青いのでアオモジと呼ばれるようになったようです。
クロモジは高級爪楊枝(和菓子を食べる時に使うヤツ)の原料だったり、枝を折ると良い香りがするので香料に使われたり、と比較的なじみのある植物だと思いますが、アオモジも爪楊枝の原料になることがあるそうで、やはり割った枝から良い香りがしてきます。
で、このアオモジ、ちょっと放置していたら、花が咲き始めました。
よく見ると一つの粒からいくつも花が咲いているようです。
おかげで咲くと結構なボリュームになって、だいぶ枝の印象が変わりました。
つぼみの状態で家でも活けるつもりでいたので、ちょっと予想外のことになってしまいましたが、咲き終わる前に急いで活けることにしました。
今回は前回と違って、ちゃんと手間暇かけて活けました。
一緒に活けたのは前回のサンカクバアカシアと、同じく稽古で使ったサイネリアです。
サイネリアは鉢植えで人気の植物ですが、切り花でも販売されています。
サンカクバアカシアは長い枝ごと使うと結構存在感ありますね。
いままで使ったことのない花材でしたが、矯めもきくし、見た目も個性的だし、なかなか私好みの花材かもしれません。
たぶん普通の花屋さんではあまりお目にかかれないのも、レア感あっていいかも。
余談ですが、某高級ブランドのお迎え花にこのアオモジが使われているのを見ました。
そこはどうやら月ごとに花のデザインを変えているようなのですが、今月はアオモジを使った花活けになっていて、そのアオモジはいつ見てもつぼみの状態になっていました。
寒いところに置いてあった我が家のアオモジでさえ数日で開花したので、想像するに、暖房のきいた店内にあってはかなり早い段階で花が咲くはず。
アオモジの花が咲いたらデザイン変わっちゃうし、さすが!まめにチェックしてるんだなー、と感心していたのですが、
昨日通りかかったら、あれ?なんかちょっと違う?
ササッと近寄ってみたら、花咲いてましたー! 惜しい!!
見たのが夕方だったので、もしかしたら朝の段階ではつぼみだったのかもしれないけど、今日はまたつぼみの枝にチェンジしたのかなー?
今月はもうその近辺には行かないので、確認できないのが残念 ^^