気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

あの器が再び登場

この間、買い物がてら花屋さんをのぞいたら、面白いケイトウを見つけました。

ケイトウはこれまでにも形の違う様々な種類のものを活けてきましたが、今回注目したのは形ではなく色です。

オレンジと赤の2色咲きのクルメケイトウです。

一つのクルメケイトウに違う色が混じっていることは時々あるのですが、私が今まで出会ったのはほんの少し混じっている程度で、とても2色咲きと言えるようなものではありませんでした。

ただ写真などでは、ピンク&赤紫とか、黄色&ピンクなどといった色々な2色咲きを見たことがあるので、もしかしたらそんなに珍しいものではないのかもしれません。

とは言え、私にとっては初対面の花。
そのままスルーすることはできず、いそいそと買ってしまいました。


ついでに、ケイトウに合わせる花材としてグロリオーサも購入。

グロリオーサは前にも使いましたが、私の大好きな花です。

それと同じ束に入っていたソリダコも合わせて使えるかも...

という恐ろしくテキトーな花選びでアレンジを仕上げました。

よく考えたらグロリオーサの花も赤と黄色の2色咲きですね。

グロリオーサを買ったのは単に大好きな花が安くなっていたからなのですが、こうしてみるとそんなに悪くない選択だったかなと思っています。

なお2色咲きのケイトウは手前の方だけで、奥にあるケイトウはオレンジ一色のものです。


ところで花活けに使ったこの器、覚えている方もいらっしゃると思いますが、昨年100円ショップで買った調味料入れです。

一度これで花活けして、大いに役立ってくれました。

その後活躍する機会がありませんでしたが、今回のケイトウを見ているうちにこの入れ物のことを思い出し、久々の登場となりました。

花材の花色と器の水玉が同調するように思ったのですが、どうですかねー?

期待したほどではなかったような (゚_。)?

でもこの器そのものは期待以上で、本来の目的では全く使っていないけれど、手放し難い一品になっています。

100均の魅力は価格もさることながら、なかなかの掘り出し物が見つかるというところに醍醐味がありますね。

とか言って、ついつい無駄なものを買ってしまうのも事実。

くれぐれも買いすぎには注意しましょう;^ω^)

地味~?な花活け

先日の稽古で新しい花材に出会いました。

新しいと言っても私にとって初めてというだけで、特に珍しい植物ではなく、いけばなでもしばしば使われるものです。

その花材とは「センダン」でした。

温かい地域に自生し、日本では伊豆半島以西に分布する落葉高木で、5,6月頃に薄紫の花が咲き、秋になると黄褐色の実がなります。

公園樹木や庭木として植えられることも多く、どうやら地域によっては見慣れた樹木のようです。

ただ花材としてはあまり出回るものではないようで、今回出会えたのは割と貴重なことだったのかもしれません。

とはいうものの、教室の稽古仲間はこの花材のことをよく知っている様子でした。

私とは大違い!

こういうところで日頃のいけばなに対する心構えの違いが出ますねー ( ̄▽ ̄;)


さて、今回のセンダンはまだ熟す前の青々とした実でした。

教室では当然のことながら、いけばならしい作品に仕上げたのですが、家ではいけばなっぽくないものを作りたいと考え、センダンの青い実に合う花を求めて花屋さんへ出かけました。

そこで見つけたのがアストランティアです。

ヨーロッパから西アジアにかけて分布するセリ科の植物です。

中心のふわふわした半球状のところは小花が多数集まっている状態で、その周りの花弁に見える部分は総苞と呼ばれるつぼみを保護していた葉です。

このアストランティアに同系色のワレモコウも入れてみました。

何だか寄せ植えみたいなアレンジになりました。

最初の写真にあったようにセンダンには実のほかに青い細枝が多数ついていて、稽古ではそれを生かした作品にしたのですが、家ではうまくいきませんでした。

というのもこの細枝はちょっと日にちが経つとぽろっと落ちてしまう脆いものだったのです。

またセンダンの実は結構重く、それが枝から垂れ下がる姿が印象的です。

その特徴を利用した活け方も考えられましたが、残念ながら手元に残っていた枝はそれに対応できるほどの長さがありませんでした。

で、最終的に残ったのが青い実だけを使うという方法。

ちょっと言い訳が多くなりましたけど、目指していた方向とは全く違うものになってしまって、だいぶ悔いが残っています(´-ω-`)

なお、このアレンジはどの方角からみても同じフォルムになっているのですが、全方位同じ形というのはフラワーアレンジメントにある活け方です。

そう意味ではとりあえず当初の、いけばなっぽくない、という目的だけは果たせたのかも (^_^;)


今回は器も濃い紫で、センダン以外は全部同じ色になってしまいました。

明るいグリーンに濃い紫というのはとても好きな色合わせなのですが、ちょっと地味過ぎました?

できればシックと言ってもらえると有り難いですけど (^o^)

振り返ると、昨年の秋にも渋い感じの花を活けていました。

秋らしい色合いとは思うのですが、秋というと途端にこういう暗い色になってしまうというのも、何だか芸がない感じ。

もうちょっとイメージを広げてみる必要がありそうです。

駆け込みセーフの花活け

なんだか急に涼しくなりました。

今年は季節が前倒しになっている印象が強いのですが、前回の話のように、もしかしたら本当に秋が短くてすぐ冬になってしまうかもしれませんね。

昨今の状況からするといつ災害が起きるか分からないし、今までになく気象情報が気になるようになりました。

とにかく備えだけはちゃんとしておかなくては p(・∩・)q


さて花活けの方ですが、今回の花材は稽古で使ったアンスリウムです。

知らない人はいないんじゃないかと思うくらい、大体どこの花屋さんにも置いてあって、年間通して出回っている花です。

私は切り花しか手にしたことがありませんが、観葉植物として育てている方も多いのでは?

アンスリウムは熱帯産のサトイモ科の植物です。

赤い花弁に見える部分は葉が色付いたもので仏炎苞と呼ばれ、花は真ん中の細い棒状のところに密集して付いています。

これは肉穂花序という花の付き方で、それに仏炎苞があるのがサトイモ科の花の特徴です。


で、既にお気づきかと思いますが、この写真のアンスリウムは肉穂花序の先端が黒くなって、しかも仏炎苞の一部が切れてしまっています。

苞が切れているのは、多分持って帰るときの花の包み方がまずかったのが原因で、花序の変色は勿論日にちが経って弱ってきたせいです。

私の場合、稽古日との関係で、落ち着いて活けられるのはどうしても稽古から2,3日経った後になってしまうことが多いので、稽古花材は新鮮なうちに活けられない宿命にあります。

なーんて私の勝手な都合ではあるのですが (;^_^A


何はともあれ、今回の花材も本格的にダメになる前に急いで活けることにしました。

アンスリウムは2本を組み合わせて使っています。

うーん、急いで活けたはいいけど、花器とのバランスがどうなのよ?という感じです。

このアンスリウムは苞の長さが15,6cmで、控えめな赤色ではあるもののかなり存在感があります。

なので花材に対してこの器はちょっと弱い。どう見ても花材に負けてる気がします。


ちなみに一緒に入っている葉は小さめサイズのアレカヤシで、丸めて入れてあります。

横から見るとこんな感じ。

最初の写真の方が自分では正面だと思っていたのですが、アンスリウムの2本の茎が上の方でだらしなく広がってしまっているところが気になります(-ω-;)

その点、後の写真では茎がすっきり見えるので、これが正面でもいいかと思ったりもするものの、花と葉の表情は最初の写真の方が好きなんですよね 。

だったら活け直せばよかったのですが、活けるのも慌てていたせいかその時点では問題に気付かず、なんか変だなと思った時には既にアンスリウムの消費期限が来ていました。

これ、アンスリウムの寿命からすると "危うくセーフ" のアレンジだったのです。

結局最後まで何とも落ち着かない花活けになってしまいました (∋_∈)

夏も終わりですか?

9月になってしまいました。

7~8月は酷暑で外出の機会が減り、おまけに体調も崩したりして、身動き取れないまま終わってしまった感じでした。

そこでもう9月だなんて言われると、何だか詐欺に遭ったような気分です。

それに梅雨明け時期も変だったし、早くから猛暑になったせいか季節の感覚がちょっとおかしくなっています。

ここ数年、春と秋が短くなっているんじゃないかという話もありますが、特に今年は季節の移り変わりがバタバタしているような気がしてなりません。

もしかしたら今年の秋もすごく短くていきなり冬になるとか?

ゆっくり四季を楽しめなくなってしまうのは辛いです (/_<)

少しはカレンダー通りに季節が変わってくれないと!


さて、そんなこんなで9月になったわけですが、花活けの世界は8月も半ば近くになると秋の気配が漂ってきて、お盆が終わると本格的に秋っぽくなってきます。

花市場はいつも季節先取りで、これは異常気候に関係なく例年通りという感じですね。

それなら早速秋物を活けるのも良いかなと思ったのですが、たまたま寄ったスーパーでヒマワリとピンクッションが安くなっていたので、ついそちらを買ってしまいました。

ピンクッションは今年の冬にも使いました。

ヒマワリは言わずと知れた夏の花ですが、ピンクッションは秋冬でも普通に販売されているし、別に夏の花というわけではありません。

でも熱帯地方の花なので、暑い時が一番似合う花ではないかと私は思っています。


今回はヒマワリとピンクッションに、稽古で使ったウンリュウヤナギを合わせて活けてみました。

ウンリュウヤナギは丸めて花留めの役目も果たしています。

このヒマワリはかなり小ぶりで、対してピンクッションは大きめで頭が重いです。

ちょっとアンバランスになっていますが、ヒマワリは小さくてもそれなりに存在感がありますね。

店内にあっても一際目を引くし、やはり夏の女王というにふさわしい花だと思います。


今回のアレンジは、秋の気配が全く感じられないものになりました。

なんでしょうね。

猛暑とは早くお別れしたいけど、夏が終わるのは何となく名残惜しいというか。

花活けの方はちょっとまだ夏の雰囲気で引っ張ってみたくなりました。

それに何とまだ今年はヒマワリを活けていなかったのでした。

意外な見落とし!

どこへ行ってもヒマワリを目にするので、すっかり活けた気になっていました。

やっぱりヒマワリを活けずして夏を終わりにすることはできませんわ (^▽^)/

仏花アレンジではありません

前回に引き続き次の稽古がまだなので、再び花材を求めて花屋さんへ行ってまいりました。

けれどあまり状況は変わらず、中には前より品揃えが悪くて暗い感じになっている店もありました。

そしていつもの花屋さんはというと、とりあえず品数だけは増えたみたい。

ただ店の雰囲気は、何だか在庫一掃セールでもしているかのよう。

いつもの束売りの花がほとんど値を下げているし、置いてある花もどうもお盆花の残り物っぽい気がして仕方ありませんでした。

それでも一応この間より花はあるわけだし、家に花材が全くない状況では贅沢も言っていられないので、この中から花を選ぶことにしました。


なるべくお供え花に見えない明るめの花ということで購入したのは、ケイトウアスター

うわっ! 2つとも典型的な仏花ではないですか ( ̄▽ ̄;)

両方とも今回活けるにあたって葉を取ってしまった後の写真です。

ケイトウ(写真左)は以前にもお話ししたように色んなタイプがあるのですが、今回のものはノゲイトウの園芸品種で、セロシアの名称で売られています。

もう一方のアスター(写真右)は中国北部原産のキク科の植物で、エゾギクの和名があります。

キクと言えば誰もが連想する仏花。
特にアスターは、市場には周年出回るものの自然開花期が6~9月頃なので、お盆にぴったりの花になっています。

よりによって何でこの2つを選んでしまったのでしょうか(;_;)

と、後悔しても始まらないので、とにかく活けてみました。

一緒に入っている緑はユキヤナギです。

お供え花に見えないようにと言いながら、黒と白の花器まで使ってしまいました。(^_^;ゞ


結局自分が意図したものとはちょっと違ってしまった今回の花選び。

もちろん店にはバラ、ヒマワリ、トルコキキョウ、など色々あったのですが、ちょっと見飽きた感じがして、消去法でこの2つを選ぶことになりました。

けれども今回のアスターに関しては、色が白やブルー系ではなく濃いピンクなので、仏花というイメージではないと思っています。

明るい花色で咲き方も可愛いと思いませんか?(賛同求む!)


いつも思うことですが、市場の花の進化には目を見張るものがあります。

アスターも品種改良が進み、花の形も色も非常にバラエティーに富んで、どんどん変わっていくように思います。

私はもともとキク科の花にはあまり興味が無かったのですが、いつまでもそんなことを言っていると取り残されてしまいますね。

活け方によっても花の印象は変わるし、これは〇〇向きの花とか、あまり考えない方が良さそうです。

花材も夏枯れでピンチ

今月はいけばな教室もお盆休みがあって、次の稽古までだいぶ間が空いてしまっています。

その分ゆっくりできていいかな、と思う部分もあるのですが、活けるべき花材が無いのはちょっと寂しい。

そう思っていつもの花屋さんをのぞきに行きました。

すると、あら、ビックリ(◎_◎)

店じまいするのか?と思うほど花がありませんでした。

他の店も回ってみたけど、花はあってもこれといったものはなく、見事に空振り。

やっぱりお盆時期は厳しいのかなー。

ただでさえ夏は花の種類が少ないのに、お盆だとお供え花に押されて、一般的な花はますます少なくなっているような気がします。

それに生産者側もお盆休みがあるでしょうし、特に今年については、酷暑の影響で花の生育が悪いという話もあるようだし。

それじゃあ店内が寂しくなるのも無理ないかも。

と、花屋さんの事情を推し量ってみたところで事態が変わるわけでもなく、買う花が無いのでそのまま帰るしかありませんでした。


実を言うと、家には稽古で使ったフトイが生の花材としてまだ残っていました。

フトイは川岸など水辺に群生するカヤツリグサ科の多年草で、ただひたすら真っ直ぐに2mくらい伸びます。

これだけ見ると細い棒が並んでいるだけみたいで味も素っ気もありませんが、さまざまな形に細工することも可能で、花活け界ではとても親しまれている植物です。


本来ならこのフトイを活けたいところでしたが、残念ながら購入後少し放置していたら変色してきたので、練習用の花材にして色々好き勝手に手を加えてしまっていました。

そんなもの、普通だったら絶対花活けには使えないはずですが...

花材が無い現状では、このフトイの扱いも見直す余地があるのでは?と考え、

無理やり仕上げてしまいました( ̄▽ ̄;)

フトイはこのように折り曲げて使うこともできるし、そのまま使って直線の美しさを強調するのも良し、幅広い造形が可能です。

中央に入っている花はいつものニチニチソウ
前に登場した白のほか、赤とピンクもベランダにあるので使ってみました。

それにしても、フトイはもうほとんどが変色していますね。

かろうじて緑色をキープしているのは向かって左の1本だけ。

これが全部緑のままだったら、もっとくっきりシャープな感じになったかと思います。 いまや想像することしかできませんけど(´・ω・`)


結果的に家にあるもので何とか賄うことができて我ながら頑張った感があるのですが、花材が花材なので、まあギリギリセーフという程度でしょうか。

フトイもさっさと活けれていれば、綺麗な緑の線を楽しめたはずですし。

でもこれまで枯れかかったフトイを扱ったことはなかったので、いい勉強にはなりました。

今後の作品作りの参考にもなりそうです。

あくまで前向き?(⌒∇⌒)

かつては花材と思えなかった植物

突然ですが、ヨウシュヤマゴボウという植物をご存知でしょうか?

この名前を知らないとしても、おそらく多くの人がよく目にしている植物だと思うのですが。

見覚えあるどころか、いやになるほど見ているという人もいるかもしれません。

ヨウシュヤマゴボウは空き地や道端にニョキニョキと生えているヤマゴボウ科の多年草で、茎が太くて赤く、春に白い花が房状に咲き、秋になると熟した黒い実になります。

アメリカ原産の帰化植物なのですが、日本にもともとあるヤマゴボウに似ているため、それに対して洋種(ヨウシュ)ヤマゴボウという名がつけられました。

実は私はこの植物についてあまり良いイメージがありません。

赤い茎と黒い実が毒々しく見えるし、ものによっては2mくらいの背丈になったりするので、不気味としか思えないんですよね。


ところがそんなヨウシュヤマゴボウが、何と花材として販売されているのです (@_@;)

あれを花活けに使うんだ!と知ったときはかなり衝撃でした。
まさか違う植物だろうと何度も確認したくらいです。

そんな私の驚きをよそに、いけばなでもフラワーデザインでも当たり前のようにそれは使われていました。

だけど不思議なもので、花材になってみると不気味な雑草には見えないんですよね。

実際最初の写真もそんなに悪そうに見えない、というかちょっと綺麗だったりして。


ということで、今回はそのヨウシュヤマゴボウを使った花活けです。

ピンクのケイトウと淡いグリーンのクルクマを合わせました。

クルクマはショウガ科の植物で、ウコンの仲間です。

夏になると店頭に並ぶクルクマは、淡いピンクや白のものもあり、暑い時期にも持ちが良いので重宝する花材です。


こうしてみるとヨウシュヤマゴボウは花材としてはなかなか面白く、魅力的な植物だと思います。

でもヨウシュヤマゴボウを知っている人なら誰もがわかっていることと思いますが、これは有毒植物です。

根、茎、葉、実、すべてに毒性があり、間違って口にすると中毒症状を起こして、量が多いと死に至ることも Σ(O_O;)

身近に生えていると幼児が口にする恐れもあるので、実が熟する前に刈り取るよう厚労省でも注意を促しています。


そんなものが何で花材になったんでしょうねー。

見た目が個性的で風情があるから?

もっとも、他にも毒のある植物で花材になっているものは沢山あるので、ヨウシュヤマゴボウだけに限ったことではありませんけど。

そもそもせっせと駆除されているものが、一方で商品として販売されているというのもおかしな話。

それに子供のころ黒い実をつぶして出る赤紫の汁で遊んだという人もよくいるし、本当に人それぞれ、ですね。

ちなみに赤紫の汁は衣服につくと洗ってもとれません。

つぶして遊んだ人ならそれも経験済みのはず ^o^