気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

仏花アレンジではありません

前回に引き続き次の稽古がまだなので、再び花材を求めて花屋さんへ行ってまいりました。

けれどあまり状況は変わらず、中には前より品揃えが悪くて暗い感じになっている店もありました。

そしていつもの花屋さんはというと、とりあえず品数だけは増えたみたい。

ただ店の雰囲気は、何だか在庫一掃セールでもしているかのよう。

いつもの束売りの花がほとんど値を下げているし、置いてある花もどうもお盆花の残り物っぽい気がして仕方ありませんでした。

それでも一応この間より花はあるわけだし、家に花材が全くない状況では贅沢も言っていられないので、この中から花を選ぶことにしました。


なるべくお供え花に見えない明るめの花ということで購入したのは、ケイトウアスター

うわっ! 2つとも典型的な仏花ではないですか ( ̄▽ ̄;)

両方とも今回活けるにあたって葉を取ってしまった後の写真です。

ケイトウ(写真左)は以前にもお話ししたように色んなタイプがあるのですが、今回のものはノゲイトウの園芸品種で、セロシアの名称で売られています。

もう一方のアスター(写真右)は中国北部原産のキク科の植物で、エゾギクの和名があります。

キクと言えば誰もが連想する仏花。
特にアスターは、市場には周年出回るものの自然開花期が6~9月頃なので、お盆にぴったりの花になっています。

よりによって何でこの2つを選んでしまったのでしょうか(;_;)

と、後悔しても始まらないので、とにかく活けてみました。

一緒に入っている緑はユキヤナギです。

お供え花に見えないようにと言いながら、黒と白の花器まで使ってしまいました。(^_^;ゞ


結局自分が意図したものとはちょっと違ってしまった今回の花選び。

もちろん店にはバラ、ヒマワリ、トルコキキョウ、など色々あったのですが、ちょっと見飽きた感じがして、消去法でこの2つを選ぶことになりました。

けれども今回のアスターに関しては、色が白やブルー系ではなく濃いピンクなので、仏花というイメージではないと思っています。

明るい花色で咲き方も可愛いと思いませんか?(賛同求む!)


いつも思うことですが、市場の花の進化には目を見張るものがあります。

アスターも品種改良が進み、花の形も色も非常にバラエティーに富んで、どんどん変わっていくように思います。

私はもともとキク科の花にはあまり興味が無かったのですが、いつまでもそんなことを言っていると取り残されてしまいますね。

活け方によっても花の印象は変わるし、これは〇〇向きの花とか、あまり考えない方が良さそうです。

花材も夏枯れでピンチ

今月はいけばな教室もお盆休みがあって、次の稽古までだいぶ間が空いてしまっています。

その分ゆっくりできていいかな、と思う部分もあるのですが、活けるべき花材が無いのはちょっと寂しい。

そう思っていつもの花屋さんをのぞきに行きました。

すると、あら、ビックリ(◎_◎)

店じまいするのか?と思うほど花がありませんでした。

他の店も回ってみたけど、花はあってもこれといったものはなく、見事に空振り。

やっぱりお盆時期は厳しいのかなー。

ただでさえ夏は花の種類が少ないのに、お盆だとお供え花に押されて、一般的な花はますます少なくなっているような気がします。

それに生産者側もお盆休みがあるでしょうし、特に今年については、酷暑の影響で花の生育が悪いという話もあるようだし。

それじゃあ店内が寂しくなるのも無理ないかも。

と、花屋さんの事情を推し量ってみたところで事態が変わるわけでもなく、買う花が無いのでそのまま帰るしかありませんでした。


実を言うと、家には稽古で使ったフトイが生の花材としてまだ残っていました。

フトイは川岸など水辺に群生するカヤツリグサ科の多年草で、ただひたすら真っ直ぐに2mくらい伸びます。

これだけ見ると細い棒が並んでいるだけみたいで味も素っ気もありませんが、さまざまな形に細工することも可能で、花活け界ではとても親しまれている植物です。


本来ならこのフトイを活けたいところでしたが、残念ながら購入後少し放置していたら変色してきたので、練習用の花材にして色々好き勝手に手を加えてしまっていました。

そんなもの、普通だったら絶対花活けには使えないはずですが...

花材が無い現状では、このフトイの扱いも見直す余地があるのでは?と考え、

無理やり仕上げてしまいました( ̄▽ ̄;)

フトイはこのように折り曲げて使うこともできるし、そのまま使って直線の美しさを強調するのも良し、幅広い造形が可能です。

中央に入っている花はいつものニチニチソウ
前に登場した白のほか、赤とピンクもベランダにあるので使ってみました。

それにしても、フトイはもうほとんどが変色していますね。

かろうじて緑色をキープしているのは向かって左の1本だけ。

これが全部緑のままだったら、もっとくっきりシャープな感じになったかと思います。 いまや想像することしかできませんけど(´・ω・`)


結果的に家にあるもので何とか賄うことができて我ながら頑張った感があるのですが、花材が花材なので、まあギリギリセーフという程度でしょうか。

フトイもさっさと活けれていれば、綺麗な緑の線を楽しめたはずですし。

でもこれまで枯れかかったフトイを扱ったことはなかったので、いい勉強にはなりました。

今後の作品作りの参考にもなりそうです。

あくまで前向き?(⌒∇⌒)

かつては花材と思えなかった植物

突然ですが、ヨウシュヤマゴボウという植物をご存知でしょうか?

この名前を知らないとしても、おそらく多くの人がよく目にしている植物だと思うのですが。

見覚えあるどころか、いやになるほど見ているという人もいるかもしれません。

ヨウシュヤマゴボウは空き地や道端にニョキニョキと生えているヤマゴボウ科の多年草で、茎が太くて赤く、春に白い花が房状に咲き、秋になると熟した黒い実になります。

アメリカ原産の帰化植物なのですが、日本にもともとあるヤマゴボウに似ているため、それに対して洋種(ヨウシュ)ヤマゴボウという名がつけられました。

実は私はこの植物についてあまり良いイメージがありません。

赤い茎と黒い実が毒々しく見えるし、ものによっては2mくらいの背丈になったりするので、不気味としか思えないんですよね。


ところがそんなヨウシュヤマゴボウが、何と花材として販売されているのです (@_@;)

あれを花活けに使うんだ!と知ったときはかなり衝撃でした。
まさか違う植物だろうと何度も確認したくらいです。

そんな私の驚きをよそに、いけばなでもフラワーデザインでも当たり前のようにそれは使われていました。

だけど不思議なもので、花材になってみると不気味な雑草には見えないんですよね。

実際最初の写真もそんなに悪そうに見えない、というかちょっと綺麗だったりして。


ということで、今回はそのヨウシュヤマゴボウを使った花活けです。

ピンクのケイトウと淡いグリーンのクルクマを合わせました。

クルクマはショウガ科の植物で、ウコンの仲間です。

夏になると店頭に並ぶクルクマは、淡いピンクや白のものもあり、暑い時期にも持ちが良いので重宝する花材です。


こうしてみるとヨウシュヤマゴボウは花材としてはなかなか面白く、魅力的な植物だと思います。

でもヨウシュヤマゴボウを知っている人なら誰もがわかっていることと思いますが、これは有毒植物です。

根、茎、葉、実、すべてに毒性があり、間違って口にすると中毒症状を起こして、量が多いと死に至ることも Σ(O_O;)

身近に生えていると幼児が口にする恐れもあるので、実が熟する前に刈り取るよう厚労省でも注意を促しています。


そんなものが何で花材になったんでしょうねー。

見た目が個性的で風情があるから?

もっとも、他にも毒のある植物で花材になっているものは沢山あるので、ヨウシュヤマゴボウだけに限ったことではありませんけど。

そもそもせっせと駆除されているものが、一方で商品として販売されているというのもおかしな話。

それに子供のころ黒い実をつぶして出る赤紫の汁で遊んだという人もよくいるし、本当に人それぞれ、ですね。

ちなみに赤紫の汁は衣服につくと洗ってもとれません。

つぶして遊んだ人ならそれも経験済みのはず ^o^

そういえば好きな花でした

8月の稽古が始まりました。

先月はやむなく稽古を休んでしまいましたが、たったひと月抜けただけで随分久しぶりのような気がします。

習慣とは恐ろしいものですね。

ブログを始める前は3,4か月休むのはざらで、半年休んでも何とも思わなかったのに(休みすぎ!)、人間こうも変わるとは。

これもブログのおかげです。 ありがたや (*´▽`人)


ということで先日稽古に行ってきたわけですが、教室で花材を選んでいるときに真っ先に目についた花がありました。

オーニソガラムです。

花活けの世界ではよく知られたユリ科の植物で、細長い茎の先に複数の星型の花を咲かせます。

切り花としては数種類出回っていて、花色はほとんどが白ですがオレンジや黄色のものもあり、また種類によって花の付き方が大きく異なります。

今回のような円状に花がつくもののほか、縦並びの円錐形に花がつくタイプがあります。

今回のオーニソガラムはサンデルシーという種類で、私が面白いと思ったのは、花の中心にある黒い雌しべ。

ビーズみたいに小さな粒なのですが、白い花の中にあるので遠くからでもはっきり分かります。

紫色のトルコキキョウと一緒に活けました。

適当な撮影場所が無く、撮影技術も無いので、どうも見栄えの良くない写真ですが ^^;

花の下方で器を挟んでいるのはサラシミツマタです。

ミツマタは枝が三本に分かれるのが特徴の枝もので、和紙の原料として用いられている植物です。

花材としては晒したミツマタを使うことが多く、このあいだ家の中を片付けていたらこのサラシミツマタが出てきたので、ちょっと使ってみました。


思い返すとオーニソガラムは一時期すごくハマって、見かけるとつい買いたくなる大好きな花でした。

それがいつしかマイブームが去って、すっかり疎遠に...

あんなに好きだったのにねー どういうわけだか (゚_。)?

そんな時、稽古場に現れたオーニソガラム。

ちょっと忘れてんじゃないの、と言わんばかりに目立っていました。

どうもすみませんでしたヾ(^-^;)

今回、やっぱり素敵な花だと再認識した次第です。


【オーニソガラム・サンデルシーで新たな発見】

オーニソガラムは花持ちがよく、複数の花もいっぺんに咲くのではなく、円形のものは外側から順に、円錐形のものは下から順に咲くので長く楽しむことができます。

なので今回もそんな感じでずっと飾っていたところ、ふと気が付くと、チャームポイントの黒い雌しべが緑色に変わっていました。

白い花弁もくすんできた気がしますが、何より黒いポッチは完全に緑。

どうやら黒とばかり思っていたものは、実は濃い緑色だったみたい。

咲き進むにつれて色が薄くなるようですね。

弱っている花でも頑張れる

先日花屋さんで買い込んだ花材で、前回のアレンジで使わなかったものがあります。

それはユーカリオンシジューム

ユーカリってコアラが食べるアレですね。

ただユーカリはものすごく種類が多く(500種類以上)、コアラが食べるものはその中のほんの一部に限られるそうです。

花材としてもポピュラーで、そこにもやはりいくつかの種類が流通しています。

今回花屋さんで売っていたのはこれでした。

このユーカリは3本一束で販売していたのですが、家で広げてみたら下の方の葉がほとんどドライになっていました。

束売りになっていると、ラッピングが透明なものでない限り上の部分しか見えないので、中がどういう状態になっているのかわからないんですよね。

まあ仕方がないか、こうなったら足並みそろえて全体がドライっぽくなるまで待とう。

ということにして少し日を置いて活けてみました。

ユーカリに合わせるものが無かったので、パラとヒペリカムを買い足しました。

ユーカリの葉はカラカラ状態なのですが、こうしてみるとあまりわからないし、そもそもこのデザインなら生でもドライでも関係なかったですね。


バラは3種類入っていて、手前の目立つところにあるオレンジとその後ろに薄いピンク、そして上方に小さなボール状に並んでいるスプレーバラがあります。

スプレーバラと言いましたが、今回のバラはすべてスプレーバラ。つまり一つの茎からいくつも枝分かれして花がつくタイプのバラです。

スプレーバラであっても花そのものの姿は普通のバラと同じものが大半で、今回の飴玉みたいな小さい花が沢山つくタイプは割と珍しいかと思います。

いわゆるバラと違って何だかよく分からない感じの花ですよね。

実はこのバラを活けたのは今回が初めて。
花が小さくて茎も弱そうなので早く萎れるかと思ったら、意外と持ちがよく、見た目もユニークなのでかなり気に入りました。


さてもう一つ残っていた花材のオンシジューム

これは前回のアルストロメリアと同じく見切り品で、「持ちませんよ」と花屋さんに言われたものでした。

さらに、このオンシジュームアルストロメリア以上にすぐ駄目になります、と断言され、そこにはそれでもいいんですか?的ニュアンスがたっぷり。

そう言われて私もエヘヘと笑いつつどうしようか曖昧な態度でいたら、花屋さんから「これ、お付けしますよ」という予想外の言葉が!

え?ひょっとしてただですか? おねーさん、グッジョブ (≧▽≦)b 

これからもひいきにさせていただきます♡

そうしてめでたくアレンジを一つ仕上げることができました。

ユーカリの葉とニチニチソウを合わせました。

思いがけずオンシジュームをいただいて気を良くしたせいか、何より楽しく活けることができ、出来上がったものもそんなに悪くないんじゃないの?と自負している私です。

それに花屋さんの予想に反して、この暑さの中で3日ほど耐えてくれました。

下手をすると半日で終わってしまうのではないかと危惧していたので、嬉しい誤算でした。

頑張ったオンシジューム! やればできるじゃないですか (@⌒▽⌒@)

猛暑でグッタリの切り花にあの方のパワーを足してみました

最高気温41.1度と記録更新されて、日中に外に出るのも恐ろしくなりました。

まさに殺人的な暑さですね。

にもかかわらず何を血迷ったのか、先週末の昼日中、花屋さんへ行ってまいりました。


いつもと同じ距離なのにやけに遠い。

マジで途中倒れると思いながらようやく商店街にたどり着くと、何だか人が少なーい(@_@;)

そして目的の花屋さんも見るからにひっそり感が漂っていました。

今年に限らず夏場は外に切り花は出せないので、まあそんなものでしょう、と中へ入ったら、店内も例年より花数が少ないような...

花が豊富な春と比べると夏は種類がぐっと少なくなるものですが、それにしてもこの時期に沢山あるはずのヒマワリさえ数が少ない。

やっとの思いでここまで来たのにこれですかー、と意気消沈してしまいました。

でもわざわざ来たんだからこのまま引き下がるわけにはいかない、何でもいいから買って帰ろう、と心に決めて、とにもかくにも花材を購入してまいりました。

ドラセナ2種(向かって左:サンデリアーナ、右:コンパクタ)、渋い赤のアルストロメリア、ソリダゴ、ニチニチソウ

縞柄のドラセナは以前シャクヤクの時に一緒に活けたもので、その後も枯れずにやけに元気だなと思ったら根が生えていました。

アルストロメリアは売り切りの花で、これは持ちませんよとお花屋さんにも念押しされたもの。

間近で見るとかなり傷んでいますが、ぎゅっとまとめたら何とかごまかせました。

アルストロメリアの後ろからピョンピョン出ているのがソリダゴ。

これはまだつぼみですが、ごく小さな黄色い花が咲きます。


今回のアレンジは最初は普通の陶製の花器で活けたのですが、何だかありきたりで面白くないと思って考え直すことにしました。

デザインも器も変えてやり直そうと思ったものの、適当な器も無いし、頭が回らなくて新しいデザインもひらめかないし、

そんな時にふと頭に浮かんだのが、昨年の草間彌生展で購入した折り紙。

この折り紙で昨年は花瓶カバーなんかも作っていました。

そういえば使わなかった残りはしまったままだった。

やっぱり使わなくちゃ意味ないよね、と思い、手持ちの花器に折り紙を巻いてみることにしました。

結果的にどうだったかというと、

最初のアレンジの写真が無いのでここでは比較のしようがありませんが、私としては同じデザインとは思えないほど印象が変わりました。

逆に草間折り紙をちゃんと生かせているかは大いに疑問ですけど(^^;)ゞ


この折り紙に使われているのは、連作「わが永遠の魂」の中の「人類の愛のすべて」という作品です。

あらためて草間彌生パワーは凄い(ノ゚ο゚)ノ

気のせいか弱った花も立派に見えてきました。

暑いのなんのと、うだうだ言ってる場合じゃないですワ。

季節外れのアレンジですが

前回体調不良の話をしたら、皆様から温かいお見舞いの言葉をいただいてしまいました。

お気遣いありがとうございました(⌒∇⌒*。)

それにしても今回の風邪?は嫌になるほどしつこかった。ようやく平熱に戻ったのは連休の最終日でした。

そしてやれやれと思ったところで、連日の信じられないような猛暑。

これはしっかり体調管理しないと大変なことになりますね。

酷暑に負けないよう十分用心いたしましょう!(私が言ってもあまり説得力無いけど)


さて花活けの方ですが、今月は稽古花材が手に入らないし、花屋さんに出かける気にもなれなくて、結局いまだ何も活けていません。

これではブログもしばらくお休みするしかないかと思いつつ、でもそれも寂しいし、

で、過去の作品でブログに出していないのがあったかなーと探してみました。

その結果、一応あることはありました。

ですが、ずっと遡って今年の1月に活けたもの。

使った花材も思いっ切り季節外れのアネモネです。
アネモネが出回るのは秋から春にかけてなので、今の時期にはありません。

しかもいろいろデザインを試していただけで、大まかにパパっと仕上げたようなアレンジです。

そういうものを公開しますかねー??

公開しちゃいました ( ̄∀ ̄*)

紫色のかたまりはアジサイ

昨年末の稽古で使った花材で、年が明けても元気だったものです。

そういえば前回もアジサイでしたっけ。

冬にアジサイ?と思われるかもしれませんが、輸入されるアジサイもあって市場では年間通して入手することができます。


このアレンジはアネモネの葉の表情が面白かったので、それを生かしたデザインにしようと試みたものでした。

かなり個性的な葉ですよね。

同じくアネモネの葉を意識したアレンジがもう一つあります。

一緒に入っている葉はヒメモンステラ

先日活けたモンステラよりかなり小型の種類のモンステラになります。

こちらのアレンジの方がアネモネの葉の表情が分かり易いでしょうか。


もう苦し紛れで、とうとう季節外れの花のアレンジまで出してしまいました。

いくら何でもこれではいけないですね。

そろそろちゃんと花材を仕入れに行かなくては!

暑いけど (;´д`)