気が向いたら花活け

ローコストで無理しない花活けを目指します

嵐のような10月が終わりました

今日から11月。

まさか台風はもう来ないでしょうね。

10月は雨ばかり降ったうえに、2週続けて台風までやってくるという荒れた月になってしまいました。

秋の行楽どころではなかったですね。

私の場合は、悪天候に加えて花展という懸案事項のおかげで、鬱々とした気分で終わった10月でした。

これまで花展で納得いくような作品を活けられたためしが無く、そのたびに目一杯落ち込むのですが、終わってみると、結構楽しかったなと思うところもあり、毎回そんなことを繰り返しています。

何はともあれ、ようやく頭痛の種から解放されて、平穏な日々に戻ることができました。

そして我が家にも久しぶりに花が戻ってきました。

花材は、ウンリュウヤナギ、バラ、ヒペリカム


ウンリュウヤナギはくねくねした枝が特徴のヤナギで、いけばなでよく使われる枝物です。

水につけておくと数日後に根が出てきて、おまけに葉まで出てくるというたくましさ。


今回も葉が出てきたので一緒に活けてみたのですが、思ったより葉の量が少なくて、ちょっと中途半端な感じになってしまいました。

しなやかな茎

秋になると、芸術の秋ということで、いけばな界もイベントが目白押しになっています。

花活けを職業としていない私でも、自身が花展に出品することもあり、今月は何だかせわしなく、落ち着かない日々を送っています。

そうした気もそぞろの状態で、何とか今月の稽古を終えました。

稽古花材の中から、黄色のカラーを使って一種活けにしてみました。

あまり水揚げが良くなかったおかげで茎が良く曲がったので、調子に乗ってくねらせてみました。

器に沿わせているだけで、ワイヤーを使う等の細工はしていません。


一昔前まで、カラーといえば「白」のイメージでしたが、いまは黄、オレンジ、紫、ピンクなど様々な色があって、活ける楽しみが増えました。

花に見えるのは、葉の変化した仏炎苞と呼ばれるもので、本当の花は中心にある棒状の部分(肉穂花序)になります。

サトイモ科の植物にみられる特徴で、ミズバショウなんかもそうですね。


花展が終わるまで、しばらく花活けを楽しむ余裕は無さそうです。

何でもいいから、早く終わってほしい (>人<;)

渋い秋の花材

前回とは打って変わって、秋らしい花材、キササゲとクリの登場です。

キササゲって何? という感じかもしれませんが、マメ科のササゲに似た、長さ20cm以上の細長い果実をつける落葉樹です。

そういえば、私もかつてどこかで、いんげんを引き伸ばしたような細長ーい実が沢山ぶら下がっている木を見たことがあるような気がします。

市場には乾燥した状態の実もの花材として、9~10月にかけて出回ります。

茶色のカラカラしたものなので、稽古場で初めて見た時には、何だか得体のしれない不気味なものがある、こんなものが花材になるのか?という印象でした。

今では、個性的で面白い花材だと思っているんですけどね。


一緒に活けたクリは直径2cm位の小さいもので、多分、サンドグリ(三度栗)。

最初は鮮やかなグリーンだったのですが、私の管理が悪かったのか? 茶色くなってきてしまいました。

イエロー系のケイトウと合わせてみました。いかにも「秋」というアレンジになったかと思います。

あー、今年もそろそろ終わり! って雰囲気になって来ました。 焦るわ ^^;

苦手な花材が再登場

以前、何となく苦手と言いながら活けたオンシジューム

再びお稽古で、この植物を手にすることになりました。

苦手を克服するために選んだ、と言いたいところですが、残念ながらそうではなくて、単に黄色い花が欲しかったから、というのが理由です。

またもや、仕方なく選んだ感じでごめんね、オンシジューム ヾ(^-^;) 

でも活けてみて思ったのは、前より抵抗感が薄れてきたかな、ということ。

選んだ理由はともあれ、活ける機会が増えて、慣れてきたせいかもしれません。

ということで、前回は他の花材と合わせられず一種活けにしましたが、今回は二種活けにトライしてみました。


合わせたのは、前にモカラと一緒に活けたドラセナです。購入してから3週間以上経つのですが、まだ元気 ♪


オンシジュームを主役にすると、黄色がパーッと華やかで、秋なのに春みたいなアレンジになりました(写真が拙くて華やかさが伝わっていないかも)。

秋になると紅葉の枝や実ものが出てきて、そうした季節ものを活ける楽しみがありますが、彩りがぐっと渋くなるので、時には思い切り明るいアレンジを取り入れたくなります。

自然が作り出したもの

今回の稽古で使用した花材は、トウゴマフウセントウワタでした。

私はもともと、特に植物に興味のある人間ではなかったので、大きな声では言えませんが、お稽古で初めて知った植物が山ほどあります。

トウゴマフウセントウワタについても、いけばなを習うようになってから知りました。

花材としてのトウゴマは、赤い茎と、ヤツデを小さくしたような掌状の柔らかい葉、トゲトゲした赤い実が特徴で、7~11月にかけて市場に出回ります。

トウゴマは別名「ヒマ」と呼ばれ、そう聞くと思い当る方も多いと思いますが、トウゴマの実から取れるのが「ひまし油」です。 実には毒があるので要注意。

フウセントウワタは、名前の通り風船のように膨らんだ実が特徴で、花材として出回るのも実がついた状態のものになります。

トウゴマは茎と実だけ、フウセントウワタは実だけを使用。

ちょっと簡単すぎるんじゃないの? という批判が身内からもありましたが、お稽古で使った残りをかき集めた結果、これになってしまいました。

今回はとりあえず、花材のご紹介ができれば、ということで・・・苦しい言い訳 ^^;


初めて知った植物の中で、この2つは、その見た目から印象に残った植物でもありました。

トウゴマの何が印象的だったかというと、やはり赤い茎ですね。

着色したものでは到底かなわない美しさがあり、茎が赤いというのは花弁の赤色とは違ってインパクトがありました。

もう一つのフウセントウワタは、言うまでも無く、実の形がかなりユニークで、どうしたって印象に残ります。

表面にトゲっぽい突起がありますが、柔らかいので痛くはありません。

実が熟して割れると、中から綿毛のついた種が出てきます。トウワタの名の由来は、この綿毛からきているそうです。

なおフウセントウワタは傷をつけると白い液が出てきますが、これには毒性があって、目に入ると角膜炎を起こす恐れがあるとのこと。気を付けましょう。


自然が作り出すものって計り知れない、と思うことが多いですが、花活けで扱う植物もまた然り。

今回の花材も、何でこんな形態になったのか、考えると本当に不思議です。

前回の続き

前回のチャレンジの後、今度は同じ花材を陶製の器に活け替えてみました。

ドラセナを思うような位置に固定させるために、器の中で細工をしています。

誰でも花活けする時には何かしら花留めの工夫をしているわけですが、それが外にばれてしまってはマズイような場合が多く、これもそのパターンです。

当然ガラス花器の場合は、ばれたらマズイ花留めはできません。


今回は同じアレンジを別の角度から撮ってみました。

これは最初の写真の向かって右側から写したものです。

ちょっと同じアレンジとは思えない、全く違う印象になりますが、私としてはこれも有りかな、と思っています。

一応どの角度から見てもおかしくないように活けているので、気分によって向き変えしても良いかも。

ガラスの花器で試したこと

いけばな教室に通って良いことの一つは、色々な花器が使い放題、という点です。

様々な器を使うことは面白いうえに、非常に勉強になるんですよね。

自分の家ではそんなに花活け用の器を揃えることができないので、教室に行った時は、とっかえひっかえ毎回違う器を試すようにしています。

器は、形状もさることながら、素材も陶器、ガラス、プラスチック、鉄、など多岐にわたっています。

何を表現したいかによって選ぶ器も変わってくるわけですが、器の素材の中で、他とはある種使い方が異なってくるのがガラス製の花器です。

つまり器の中が丸見えであるということがポイント。(中が見えないガラス花器もありますが)

不透明の器と違って、ガラスの場合は器の中を考えずに花材を入れると、とても見苦しい作品になってしまう可能性が高いです。

でも見方を変えると、器の中を表現の場にできる花器、と言えるかもしれません。

例えば、水中花のように水の中における花材の魅力を追求したものや、水そのものの存在を強調した作品など。

で、私も、今回お稽古で使った花材を手持ちのガラス花器に活けてみました。

花材はドラセナ・レフレクサ “ソングオブインディア” とモカラで、教室で活けた時は陶製の器を使いました。

器の中に入れたのは巻いたドラセナの葉で、外に出ているドラセナとモカラの茎が器の中では見えないようにしてみました。

実物を見ている時はあまり感じなかったのですが、こうして写真に撮ってみると、ちょっとドラセナの頭が重いですかね。

いや、そんなことより、茎が見えないことに何の意味があるのか? っていう感じですか?

だったら不透明の器に入れても同じじゃないの?、と言われるとそれまでなのですが、ちょっとやってみたかったんですね。

本来見えるはずのものが見えないってどんな感じかな、と思って。

何事もトライ!

色々試してみないと、次に進めないし・・・なんてね (^^;)